第541夜:小松五平のこけし(戦前~戦後)
本稿のこけしは大きさ6寸2分、胴底に「秋田大湯 小松五平」と記載されている。五平のこけしに関しては第309夜で戦前作を、第310夜で戦後作を紹介している。写真(2)は右から昭和13、4年頃、昭和15,6年頃、本稿のこけし、左端が昭和20年代のこけしである。
本稿のこけしは、同時に入手した他のこけしの年代から考えて、昭和17、8年頃と推測される。作行きは右隣のこけしに近いが、頭がやや縦に長くなり、胴は細くなってくびれも大きくなっている。木地形態的には左の戦後のこけしに移りつつある。面描では眼点が小さくなって、明敏さが薄くなってしまった。鬢飾りの根本は右隣の作では赤2筆描きであるが、本稿のこけしでは赤1筆描きとなって、戦後のこけしと同様になっている。戦前から戦後への過渡期の作風を示しており、昭和17,8年という年代として違和感は感じられない。
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