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第534夜:喜平こけしの変遷(2)

Kihe_kin_s17_kao

昨夜紹介した古品15点の中に、渡辺喜平のこけしが2本含まれていた。喜平の戦前のこけしの変遷については第319夜で、手持ちのこけしを掲載して紹介した。戦前の鯖湖こけしと言えば、キン(角治)に代表され、それに初期の忠蔵が加わる。喜平については、キンの木地を挽いたことと、象鼻こけしが知られているくらいである。今回、新たに2本の喜平こけしが加わったので、319夜の話を振り返ってみたいと思う。口絵写真は、喜平のキン型こけしの表情である。

写真(2)は戦前の喜平こけしである。第319夜の写真で、右端のこけしを同型で保存状態の良いものに変え、今回の2本を加えている。右から3本目と左から2本目である。

Kihe_kin_s17_hikaku

喜平の初期のこけしとしては、写真(2)右端のようなドングリ眼に象鼻のこけしと、端正で大きな鯨目のこけしが知られている。鯨目の方は、その後、キンを意識したのか、右から2本目のように上瞼が長くなり瞳自体は小さくなる。さらに今回入手した3本目では、瞳は更に小さくなり、上瞼は角が鋭角的になって小原こけしを連想させる。このこけしでは8寸という大寸にも拘わらず胴は太くロクロ線は無い。また、胴模様も、これまでのようなアヤメではなく、キンこけしに見られるような花模様を描いており、明らかにキン型として作ったことが想像される。また、左から2本目のようなドングリ眼のこけしも作っているが、この頃には両眉毛の上に丸い黒点を付けるようになる。このように並べて見ると、その経年変化も見てとれる。特に前髪に注意して貰いたい。昭和15、6年頃の右端では横に平たく、毛先も細かく描かれているが、次第に毛先が荒くなるとともに、前髪自体が縦に長くなってくる。左端は昭和21年作。ここに並べたこけしは、この間5,6年に作られたっものであるが、その変化は相当に大きなものであることが分かるのである。

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