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第540夜:裕介さんの子持ちこけし(初作)

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この週末で東京近辺の桜の花も殆どが散ってしまい、日一日と新緑が眩しい季節になってきた。あの大震災ですっかり忘れていたが、3月末で昨年の還暦から1年が過ぎていた。そして誕生日記念のこけしを頂いてしまった。貰ったのは佐藤裕介さんのこけし。あの大震災前に頼んでおいたものとのこと。裕介さん初め誠孝さん一家は原発事故の影響で、今は赤城山に避難されており、そこで作られたこけしであった。しかも裕介さんが初めて作ったという子持ちこけし。このこけしを頼んでくれた方と裕介さんに感謝して、今夜はそのこけしを紹介させて頂く。

赤城山に避難された誠孝さん一家は、そこでこけし製作を再開されている。「木地処さとう」のHPに依れば、最初は実演用の小型ロクロを使用していたが、今は本格的なロクロの据え付けも終わり、2尺ほどのこけしも製作可能になったとのこと。

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「木地処さとう」のHPでは、赤城山に行ってからの裕介さんの新作こけしとしては、「誠古型中くびれロクロ」、「誠古型ロクロ裾広」、「グラデーションこけし」の3種が掲載されている。写真(2)の右(6寸)が中くびれロクロで、真ん中(6寸2分)がロクロ裾広こけしである。左は誠57才(昭和32年)作である。裕介さんのこけしは友の会でも頒布されており、昨年12月のおみやげこけしでは誠型3種、嘉三郎型、大野栄治型の5種類が頒布されている。それらと今回のこけしを比べてみると、甘さが無くなり、凛とした表情の溌剌としたこけしになっているのが分かる。やや左下に向けた視線がちょっとはにかんだような乙女の微笑みを浮かべている。鼻が中央よりやや左寄り(向かって)に描かれている点などは誠こけしの影響であろうか。避難という不測の事態であったといは言え、赤城山という新天地に移って再出発しようという並々ならぬ意欲が感じられる力作である。

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写真(3)が子持ちこけしの中を見たところと、赤城山での署名である。中の子こけしは2寸2分で赤、緑、黄、紫の細かいロクロ線模様で飾られた実に愛らしいこけしである。誠孝一家が作るこけしは多種多様である。これらのこけしをどのように引き継ぎ、発展させていくのか、裕介さんの今後を期待して、楽しみに見守って行きたい。

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