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第552夜:鳴子の通信こけし(小島正)

Kojima_tushin_kao

平成16年に入手した大沼竹雄の小寸こけしを追求した結果、それが通信(郵便)こけしであることが分かった。しかし、その全体像(どういう風に使うのか)については今ひとつハッキリしなかった。先日、ヤフオクにこの通信こけしの完品が出ていたので入札に参加し入手することが出来た。今夜はその通信こけしを紹介したいと思う。口絵写真は、小島正の通信こけし(左)と同サイズの通常こけし(右)である。

通信こけしとは大きさ3寸余りで、胴の中が刳り抜いてあり、そこに通信文を書いた紙片を丸めて入れるものである。そのままでは紙片が出てきてしまうので、胴底から蓋をするようになっており、その蓋はねまりこの形をしている。ここまでは分かっていたのだが、それをどうやって送るのかが分からなかった。送り先を書いた宛名ラベルをこけしの首に細い針金で巻き付けるのかとも思っていた。今回、それが判明した。

Kojima_tushin_naka

写真(2)左が通信こけしを下から見たところで、中に通信文を書く紙片が丸めて入っている。その右下の台付きねまりこが蓋になる。そのねまりこの台の底には丸金具がねじ込まれてあり、そこに宛名ラベルを細い針金で取り付けるようになっている。写真(2)右は蓋を閉めたところ。蓋はしっかりと胴に嵌るので普通は落ちることはなさそう。だが、鍵はかからないから、誰かが中を見ることは十分可能。そういう意味では、封書というより葉書という位置付けだったのであろう。宛名ラベルの表には、「四銭貼附」と書かれた場所があるので、ここに4銭切手を貼ったのであろうか。

Kojima_tushin_setumeibun

写真(3)は宛名ラベルの裏面。こけしには子供のエキ病除けの力があると書かれているのは興味深い。

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