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第562夜:今泉源治の浅之助型

Genji_asanosuke_s43_kao

ここのところ戦前の古品に関する話が多くなっているので、今夜は戦後のこけし、土湯系の今泉源治さんの浅之助型の話をしたい。第590夜(今泉源治の由吉型)でも触れたように、源治さんは鹿間氏の勧めにより、昭和43年5月に浅之助型を復元している。口絵写真は昭和43年の浅之助型の顔アップ。

Genji_asanosuke_s43_hikaku

写真(2)右が本稿のこけし。前所有者の言に依れば、昭和43年に民芸店「ねじめ」に入荷した8寸と6寸の2本組の内の1本で、8寸の方である。鹿間氏の復元後に作られた同種のこけしと思われる。「こけし辞典」に掲載されている浅之助型は43年11月となっており、それと殆ど変わらない作風なので、同時期に作られたものと思われる。木地形態は頭が丸く、胴は直線的な三角胴で、第590夜で紹介した由吉型と同様である。浅之助のこけしにこのように極端な三角胴は見当たらないので、源治さんの感性のよるものだと思われる。胴模様は赤と緑のシンプルなロクロ線模様。木肌への滲みが心地良い。蛇の目は頭頂部に2重に小さく描かれ、前髪は5筆で大きく手の指状になっている。目は下瞼が長く、短い上瞼との細い隙間に眼点が小さく入れられている。表情は湊屋の趣を持っており佳作と言えるだろう。左も源治さんの浅之助型。製作年代は分からない。頭は頭頂部が平らで縦長となり、胴も丸みを持ったエンタシス状になっている。胴のロクロ線の数と配色は変わらない。頭頂部の蛇の目は大きくなって前髪は7筆で小さくなった。目が大きくなったことで表情は一変し、湊屋の風情からは遠のいてしまった。

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