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第574夜:落ち穂拾い(佐藤昭一)

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昭一さんが聞いたら怒り心頭に達するかも知れないが、今夜紹介するこけしもヤフオクで他に入札する人がいなかったものである。2本組みで4000円の最低価が敬遠されてしまったのであろうか。「たつみ」で大量に頒布された巳の助・昭一のこけしは、その数が多過ぎたのであろうか、今は安価で取引されている。「たつみ」の頒布が最高潮の頃に集めたコレクターも高齢になり、そのこけしが出てきているのであろう。そういう意味では、今はチャンスなのである。じっくり選んで、良いこけしを程ほどの価格で入手できる。口絵写真は、昭一の周助昭和型の写しの顔アップである。

本稿のこけし、先ずはその保存の良さに驚かされた。殆どロー引きされていない状態で作ったばかりかと見紛う。このこけし、出品写真で見て、何処かで見覚えがあると思っていたが、それは「こけし辞典」の掲載写真であった。

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写真(2)右が本稿のこけし。大きさ8寸5分。「辞典」では昭和43年作となっている。そこで、このこけしのルーツを探ってみることにした。「たつみ」での巳の助・昭一こけしの頒布の詳細が記載されている「こけし春秋」によると、このこけしの「原」は「こけしの美171番」に掲載されているもので、「美しきこけし(名和好子こけしコレクション図譜)」の282番であることが分かった。このこけしは「たつみ」の分類では171番(後期昭和黄胴帯なし・前髪直・エリ寒色)と称されている。「美しきこけし」では『8寸5分(282)の現代型は以上のこけしより若干年代の下がる昭和8年頃の作。筆力は少し弱くなってきているが、黄色の胴にスカーレットと青竹の花は強烈で、何より異様に光る眼点は周助の超絶した世界を見るようである。』と評されている。写真(2)左が「原」こけしの写真を取り込んだもの。「原」こけしは緑色が殆ど消えかかっており、「美しきこけし」の評を窺い知るのは難しい。それを昭一さんのこけしは見事に補っている。出来たての周助こけしは、おそらく昭一作のような色鮮やかなこけしだったのであろう。

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コメント

え~、気がつかなかった。
丹念にみていると、こんなことってあるんですね。
うーん、しっかり見ていないと。

投稿: A | 2011年7月 6日 (水) 07時08分

私などは日に何回もヤフオクを見ているので、こういうものにもぶつかるのでしょうが、忙しい方々には無理かも知れませんね。それに検索の仕方が悪いのか、引っかからないものもあるようですし・・・。沢山出てくる巳の助・昭一のこけしは狙い目ですね。

投稿: 国恵志堂 | 2011年7月 6日 (水) 08時21分

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