第573夜:是伸展で購入したこけし
写真(2)の左が秋田時代の盛写し(8寸5分)。盛の昭和16年頃の作で、「原」は5重の入れ子になっている(第134夜を参照)。原作と比べて見れば分かるように、是伸さんは「原」を忠実に写している訳ではない。あくまで「原」の特徴を捉えながら自分流に作っている。それはそれで良いと思う。黄胴にまっ赤な菊花が胴一面に咲き誇り、実に華麗なこけしである。是伸さんのレパートリーにまた良いこけしが1本加わった。写真(2)右2本は勘治型(5寸)。勘治型は「高勘」の原点で、是伸さんも色々なものを作っている。今回は、材料の異なるものを作っていた。右端は「水目桜」を使った盛勘治型。真ん中は「栗材」を使った勘治型。通常の「みずき材」とはまた違った味わいがある。栗材は木目模様も美しい。他に「ひのき」「粟材」「白肌のけやき」などもあった。
写真(3)は小持ちえじこ。1寸ほどの豆こけしがドングリの帽子を被っている。このドングリの帽子は是伸さんのお子さんが山で拾ってきたものだと言う。写真では3本とも上手く被っているが、滑りやすいので被せるのは結構難しいものだ。親のえじこはもとは帽子を被っていなかったが、別売の帽子を被せてみたところ見事に収まった。実に愛らしい親子の帽子被りが出来上がった。
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コメント
いつも楽しく拝見しております。ご教示願います。
佐久間俊雄と今晃のこけしが人気があるのは、どなたか大家の方が
良いものだとか言ったのですか。
投稿: | 2011年7月 2日 (土) 19時30分
難しい質問ですね。以下、あくまで私の個人的な考えです。佐久間俊雄については、湊屋の直系という貴種性、製作期間が7年程で作品も少ないという希少性、作品の変化が大きく種類も多いという多様性が人気の要因だと思います。もちろん、木地技術も優秀ですし、描彩も巧みです。作り始めの頃はデパートでも良く見かけましたが、直ぐに抽選品となって入手は難しくなりました。そうなると欲しい人が増えて人気も急上昇になったのです。俊雄のこけしは満遍なく人気があります。今晃については「木の花(第拾六号)」の『戦後の佳作』で取り上げられており、その頃(昭和50年代初め)の作品は人気があります。でも、当時は安価で簡単に入手できました。今さんは自由奔放にこけしを作っている(本人型)ので、そこに魅力を感じているファンも多いですが、そこは評価の分かれる所ですね。今こけしは、ある特定の時期(弘前時代とか)のものに人気が集中しています。
投稿: 国恵志堂 | 2011年7月 3日 (日) 08時20分
丁寧なご説明ありがとうございます。時として大家がものを言うのに左右される場合があります。
誰かが言っておられたが、こけしは感性で見るものだとか。良いものは良いという思いで、楽しむしかないと思っております。
勝手な物の言い方に、ご返事いただき感謝いたします。
投稿: | 2011年7月 3日 (日) 11時09分