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第575夜:これは誰のこけし?

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先週の土曜に梅雨が明け、真夏の太陽が照りつけている。電力消費量は大丈夫かと懸念する中、今日で大震災後4ヶ月が経過したことになる。こけし関連のイベントも開催され、支援活動も行われているが、こけしの産地(特に温泉地)は、未だ未だ観光客の減少に困惑している状況のようだ。2週間程前のヤフオクに栄治郎型と覚しきこけしが出品されていた。胴底には「勤作」との署名がある。「勤・・・誰?」と思いつつ眺めていたが、1000円の最低値に対し誰も入札しない。詳しく見て見たかったので締切直前に入札し、最低価で手に入った。今夜はそのこけしの紹介である。口絵写真は、その顔アップ。

先ず、顔だけ見ると紛れもない栄治郎型こけし。署名が無ければ色々と詮索をするところだが、「勤作」とある。栄治郎型は本流の「幾雄-田中恵治」、傍流の「直志-昭一」の他、「源吉-田中敦夫」、「角四郎-寅雄」も作っているが、勤という工人(?)はどこにも見当たらない。

Eijiro_tutomu

写真(2)が「勤作」の全体像。胴に目を移すと殆ど直胴で、胴中央やや下にお決まりの太い赤帯が入っている。また胴裾も台状になっていて青く塗られている。本家の栄治郎型に比べて、その形態はバランスが悪く美しさが感じられない。首の部分は僅かに盛り上げている。胴模様は帯上部は桜崩しを4輪配し、蕾も添えられているが、帯下部も本家の正面菊ではなく、桜崩しを描いている。首下、帯の上下、胴裾のロクロ線は青色を使っており、茎・葉の緑色とは異なる。「こけし辞典」の『岡崎栄治郎』の項を読むと、『また、現在仙台屋では伝来の栄治郎を模作させたものを販売しており、・・・』とあり、本稿のこけしも、その模作の1つなのかも知れない。模作でも、帯下の模様は正面菊にして欲しかったと思う。

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