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第578夜:福寿の盛昭和初期写し

Fukujyu_s10sakari_kao

昭和50年以降、私は毎年のように福寿さんを訪ね、その時々のこけしを入手してきた。当時、福寿さんの製作の中心はもちろん勘治型で、他に、普通型と大正型、それに盛古型(古形子洞頒布)、古鳴子型であった。また、蒐集家からの写し作成の依頼も多く、それらは単発に作られていたようだ。しかし、それらの中に盛ピーク期と言われる昭和10年頃の胴の膨らんだ型は見られなかった。唯一、それと思われるこけしが今夜紹介するこけしである。この型のこけしは、それ以降、新品はおろか中古品でも見かけたことがない。おそらく、蒐集家に頼まれて作ったものであろうが、継続的には作られなかったようである。口絵写真はその顔のアップ。

Fukujyu_s10sakari_hikaku

写真(2)に昨夜の盛こけし(右)と、本稿の福寿こけし(左)の正面と側面を示す。盛こけしは大きさが尺であるが、福寿こけしは9寸5分で一回り小さいことになる。9寸5分という中途半端な大きさから、誰かのコレクションの写しかと思うが、そのことに関して福寿さんの話を聞いた覚えはない。入手は平成8年の6月、福寿さんを訪問した時である。反りが無く、やや膨れ気味の胴、花弁の長く延びた横菊模様など、ピーク期の盛こけしの特徴を良く現している。ただ、頭の形が平頭気味なのは盛古型(古形子洞頒布)の影響であろうか。側面に描かれた小さな丸菊(正面菊)も、この時期の盛こけしに見られるものである。

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