第594夜:定助(93歳)のこけし
鳴子系の高橋定助は明治6年、松島近くの野蒜村の生まれ。明治22年、17歳で横谷善作について木地修業。善作はこけしを作らなかったため、定助は岩太郎を手本として見取りでこけしを作ったという。戦前のこけしは、昭和19年に鹿間氏の訪問により昔を思い出して作ったのが残っている。戦後は、昭和28年を皮切りに、描彩のみ復活した(木地は種々の工人のものがある)。「木の花(第弐拾弐号)」の『戦後の佳作』で定助が取り上げられている。そこでは、30年頃の1尺と40年作の5寸立ち子(たつみ頒布)が取り上げられている。
写真(2)は定助93歳の立ち子である。大きさは5寸。向かって左の立ち子は秋山忠市木地の「たつみ」頒布品で、「木の花」掲載品と同手である。木地形態は本稿の立ち子の方がスラッとして均整が取れている。表情もこちら方が30年頃作に近い。右の立ち子は、それより後の作。木地形態も頭がやや縦長となり、胴の形態もやや甘い。顔の描彩も、前髪が下がったため全体に下寄りになり、一筆描きの眉・目も長く垂れて力が無い。定助は94歳で亡くなっていることを考えると、その筆力の衰えは仕方のないものであろう。
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コメント
前回の由吉型、好きだったので読み逃げして喜んでいました。
今回の高橋定助こけしも良いですね!
整ったこけしも美しく素晴らしいですが、こういった笑っちゃうような幼い顔のこけしも、嫌なニュースの多いこの頃には、ほっとする優しい面持ちです。
投稿: kuma | 2011年9月 5日 (月) 09時33分
いつも感心しながら拝見しております。鳴子のコンクール時こけし館の2階で中古こけしのオークションを行っておりました。私的にはあまり興味がありませんのでどうでもいいことですが、あれじゃ新作のものが売れないのではないか。東京こけし友の会としてはどのように考えますか。
投稿: | 2011年9月 5日 (月) 18時15分
kumaさん、コメントありがとうございます。
定助さんも93歳になって、もう気持ちは子供に戻ってしまったんでしょうね。だから、こんなあどけない顔が描けるようになった。
何とも心安らぐこけしで楽しいですね。
投稿: 国恵志堂 | 2011年9月 5日 (月) 20時01分
鳴子のこけし祭りでのオークションにどのようなこけしが出品されていたのか分かりませんが、「中古品こけし復興チャリティオークション」と銘打っているところをみると、今回だけのものではないでしょうか。友の会も例会で入札を行っていますが、出品するこけしは物故工人のもの、現存工人は津軽の入手難の一部人気工人で極初期の作に限られます。現存工人は出来るだけ新品を頒布するよう努めています。
投稿: 国恵志堂 | 2011年9月 5日 (月) 20時18分