第599夜:初期庫治のこけし
私が庫治のこけしを最初に入手したのは昭和40年代の末、大きな目が特徴的なこけしであった。その後、喜代治の写しを作るようになり、一定の評価を受けていた。そんな中、私の脳裏には「美と系譜」に載っていた6寸の庫治こけしが刻まれて離れなかった。中古市場にいずれは出てくるものと思っていたが、なかなか出会わない。その内に、それが所謂「初期庫治」と呼ばれるものであることが分かったのである。頭は横広で目は小振りで愛らしい。胴は太く、そこに花弁を横一杯に開いた重ね菊が描かれている。昭和41年6月作、『親のに似てユーモラスでややグロ味もある佳品である。』と「美と系譜」で評されている。
写真(2)が今回入手したこけし。大きさは8寸。日付等の記入がないため製作時期は分からない。「美と系譜」の庫治と比べると、頭はやや縦長であり、胴は下部に向けて広がっている。重ね菊の花弁も橫への広がりが少なくなっている。目は小さいが、笑みは控えめで上目遣いにこちらを見つめているようである。「初期庫治」の範疇に入るのであろうが、「美と系譜」の庫治とはやや雰囲気が異なるように感じる。初期庫治探求の旅は未だ未だ続きそうである。
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