« 第598夜:戦後の広三こけし(4) | トップページ | 第600夜:六合目到達(伊藤長一) »

第599夜:初期庫治のこけし

Kuraji_syoki_kao

肘折系の代表的なこけしである奥山庫治のこけしは、今はあまり人気の無いこけしになっているようだ。中古市場でも残っていることが多い。そんな中で、唯一「初期庫治」と言われるこけしだけは人気がある。とは言え「初期庫治」という言葉の定義がどんなものなのか、明確に聞いたり文献等で読んだことはない。割合、朧気な印象を持っているに過ぎないのである。そんな「初期庫治」が8月の友の会例会の入札に出品され、運良く入手することが出来た。今夜はそのこけしを見て見たい。口絵写真は、その庫治こけしの顔アップ。

私が庫治のこけしを最初に入手したのは昭和40年代の末、大きな目が特徴的なこけしであった。その後、喜代治の写しを作るようになり、一定の評価を受けていた。そんな中、私の脳裏には「美と系譜」に載っていた6寸の庫治こけしが刻まれて離れなかった。中古市場にいずれは出てくるものと思っていたが、なかなか出会わない。その内に、それが所謂「初期庫治」と呼ばれるものであることが分かったのである。頭は横広で目は小振りで愛らしい。胴は太く、そこに花弁を横一杯に開いた重ね菊が描かれている。昭和41年6月作、『親のに似てユーモラスでややグロ味もある佳品である。』と「美と系譜」で評されている。

Kuraji_syoki

写真(2)が今回入手したこけし。大きさは8寸。日付等の記入がないため製作時期は分からない。「美と系譜」の庫治と比べると、頭はやや縦長であり、胴は下部に向けて広がっている。重ね菊の花弁も橫への広がりが少なくなっている。目は小さいが、笑みは控えめで上目遣いにこちらを見つめているようである。「初期庫治」の範疇に入るのであろうが、「美と系譜」の庫治とはやや雰囲気が異なるように感じる。初期庫治探求の旅は未だ未だ続きそうである。

|

« 第598夜:戦後の広三こけし(4) | トップページ | 第600夜:六合目到達(伊藤長一) »

肘折系」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/188678/52712626

この記事へのトラックバック一覧です: 第599夜:初期庫治のこけし:

» ハウスクリーニング全般 Witch House ウィッチハウス [Witch House ウィッチハウス]
お掃除、お部屋のコーディネート、KEA家具のご相談、各種ご依頼、お見積りなど、お問い合わせはお気軽にどうぞ! [続きを読む]

受信: 2011年9月13日 (火) 14時04分

« 第598夜:戦後の広三こけし(4) | トップページ | 第600夜:六合目到達(伊藤長一) »