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第660夜:市助のこけし

Ichisuke_kaoふと、アクセス数を見てみたら45万を越えていた。40万を超えたのが昨年の10月6日なので、3か月半程で5万増えたことになる。このままの調子で行くと5月のGW辺りで、50万アクセスを達成するのではないかと思っているのだが・・・。さて、昨夜に引き続き遠刈田の古品を紹介する。我妻市助のこけしである。最初、写真を見た時点では、好秋かと思ったが、胴底に「遠刈田 市助」と書いてあった。口絵写真は、その市助の表情。

遠刈田系の我妻市助は大正10年、青根温泉の生まれ。昭和12年に佐藤好秋の弟子となり木地修業を始める。昭和15年に「鴻1号」で紹介された。昭和16年に入隊し、19年6月に戦死しているため、作品は全て古品となる。「鴻」での第1回頒布品の写真が「愛玩鼓楽」に10本程掲載されており、「この時が師好秋に許しを得て作られた初作である。」と解説されている。

Ichisuke

写真(2)が本稿のこけしである。大きさは5寸3分。頭は縦長で眉・目の筆が良く伸び、おおらかな表情のこけしである。「鴻」頒布の一連のこけしと比べると、頭がより縦長で、前髪が上にあり鬢も顔の外側に寄っているため顔の面積が広く、鄙びた表情になっている。一方、胴模様の桜崩しは丸みを帯びて手慣れた印象を受ける。製作時期は16年頃であろうか。高々2,3年の間に作られたこけしであるが、市場では割合良く見かけるこけしである。ただ、この手の顔はあまり見かけないようだ。

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コメント

「しまぬき」にて星博秋さんのこけしを購入、幸せ気分です。

「カメイ美術館」で工人録もゲット。

土湯工人さんたちの「お若い」写真に微笑んでしまいます。

これから各地でひなこけし展が開催されるので楽しみです!

投稿: ピノ助」 | 2012年1月27日 (金) 00時33分

ピノ助様
おはようございます。
ついに「小原こけし」をゲットしましたか。良かったですね。
工人録は私も先週の日曜に購入しました。
既に亡くなった方も結構いて時の流れを感じます。
雛祭りに向けて、色々な雛こけしも作られているようです。
楽しみですね。

投稿: 国恵志堂 | 2012年1月27日 (金) 09時36分

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