第656夜:岡崎嘉平治のこけし
蔵王系の岡崎嘉平治は明治43年、蔵王高湯の生まれ。岡崎栄作の長男である。父栄作について木地修業。こけしの製作は昭和12年頃から16年頃まで。16年9月に応召するが病にて帰国し、23年3月に没している。享年39歳。
写真(2)に嘉平治のこけしを示す。大きさ4寸6分の作り付け。「こけし辞典」の嘉平治の項に写真掲載されているように、小寸物では手絡頭で胴中央部に段があり、上部がくびれた形が多いが、本作は直胴になっている。また、頭は大寸に多い黒頭になっている。「こけし辞典」では『初期の物は水々しい新鮮味が感じられ、昭和15年、6年になるとやや冷ややかな、寂しい表情に変わっている。』とある。本稿のこけしは昭和15年頃のものと思われるが、小寸にもかかわらず上下の瞼のある二重瞼を描いており、眼点をやや上方に向けた凛々しい表情をしている。なかなかの佳作と言えるだろう。
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コメント
土湯のこけし絵付けコンクールに参加予定のわたくしメ。
白木のこけしを前にしてうんうん唸ってます。
とりあえず胴には可愛いレースなんぞをあしらってみました。
表情は・・・今だ決まらず。
「白木のままの方が良かった」と言われないように頑張ります!
こちらのブログとっても参考になります。
投稿: ピノ助 | 2012年1月22日 (日) 16時44分
ピノ助様
いつも読んで頂いて、ありがとうございます。
絵付けこけし、どんなものが出来るのか楽しみですね。
賞もあるようですから、頑張って下さい。
投稿: 国恵志堂 | 2012年1月23日 (月) 14時11分