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第644夜:石原日出男のこけし(2)

Ishihara_kogata_kao年末から正月3ヶ日にかけては本ブログのアクセス数も、日に100を越えることは無く、穏やかに推移していたが、一昨日辺りから110を越えて以前の水準に戻ってきた。週末の土・日よりも平日の方がアクセス数が多いというのも面白い特徴である。さて、今夜も鳴子系の続きをお話ししたい。庸吉こけしを調べるために「こけし手帖56号」を見ていたら、「こけし観賞④古鳴子」という鹿間時夫氏の文章が目に入った。これは同氏の「こけし観賞」にも『古鳴子(Ⅰ)』として再録されている。その古鳴子(こけし)は石原日出男により復元されており、今夜はその紹介である。口絵写真は、日出男の古鳴子の表情である。

鹿間氏が「こけし手帖」や「こけし鑑賞」で紹介した『古鳴子』は、深沢コレクションにある7寸6分のこけしで、全体が黒くなっているために面描以外の描彩は良く分からないが、大きならっきょう形の頭をしており、胴裏下部に「一の関こけし這子」の文字が書かれているという。鹿間氏の追求にも拘わらず、その作者は分からないままで、同氏はこのこけしを「深沢一の関」と命名している。鹿間氏はこのこけしが気に入ったようで、昭和39年に、このこけしと同型の木地を桜井実に作ってもらい、それに石原日出男に甚四郎型の描彩を施してもらったものを「こけし鑑賞」に載せている。石原日出男は本来、創作こけしの作者であるが、昭和38年頃より鳴子系の幸八型、庸吉型、甚四郎型、それに本稿の古型などの描彩を行った。

Ishihara_3hon

写真(2)は右から幸八型、古型、庸吉型である。大きさは6寸前後、全体の調子が似ていることから、同時期に作られたものと思われる。幸八型、庸吉型については第607夜でも紹介している。木地は別人のため、同じ描彩を施しても、出来上がったこけしの雰囲気はかなり異なる。鳴子系4種の中では、甚四郎型が一番多く作られており、作風の変化も多いようだ。本稿の古型は昭和41年頃の作と思われ、右目の目頭が長く鼻の方へ食い込んでいるのが特徴である。

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