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第667夜:吉太郎古作(2)

Kititaro_ssyosyo_kao今夜は、昨夜の続きで、先日入手した吉太郎の古作の内小さい方の紹介である。ヤフオクに出品された写真を見た時点では、こちらのこけしの方が古い感じがして、先ずはこちらが欲しいと思ったのであった。昨夜のこけしが「美と系譜」掲載こけしと同時期のものと分かったのは手元に届いて色々と調べてからのこと。入札の時点ではそれほど気にしてはいなかったのである。口絵写真は、今夜の吉太郎こけしの表情。面描が相当薄くなってはいるが、その迫力ある表情は掴めると思う。

Kititaro_ssyosyo_2hon_2

写真(2)右が本稿のこけしで、大きさは7寸。左の昨夜のこけしと同様、胴は朴材か桐材と思われる。一見して、本稿のこけしの方が姿が美しいのが分かる。頭は頭頂部が大きく,頬の辺りが狭まっており、作並こけしを思わせ、吉太郎としては珍しい。胴はやや太めではあるが、胴裾にかけてはやや窄まり気味で均整はとれていると言えるだろう。大きい頭頂部に合わせるかのように前髪も横に広く、横鬢も頭に近い位置から大きくばっさりと描かれている。眉尻、目尻の釣り上がりは大きく、小さい眼点は斜めに打っているようで、集中度の強い鋭い表情となっている。

Kititaro_ssyosyo_hikaku_2

写真(3)で昨夜のこけしとの表情の違いを示す。胴模様の基本構成は昨夜のこけしと同様であるが、本稿のこけしでは、3列に描かれた花の数が左右は1輪(真ん中は3輪で同じ)と少なく、また上部の花冠も昨夜のこけしほど複雑にはなっていない。製作時期は、昨夜のこけしが昭和初年から4,5年頃ということで、それよりはやや古く、昭和の初め頃と思われる。

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