第667夜:吉太郎古作(2)
写真(2)右が本稿のこけしで、大きさは7寸。左の昨夜のこけしと同様、胴は朴材か桐材と思われる。一見して、本稿のこけしの方が姿が美しいのが分かる。頭は頭頂部が大きく,頬の辺りが狭まっており、作並こけしを思わせ、吉太郎としては珍しい。胴はやや太めではあるが、胴裾にかけてはやや窄まり気味で均整はとれていると言えるだろう。大きい頭頂部に合わせるかのように前髪も横に広く、横鬢も頭に近い位置から大きくばっさりと描かれている。眉尻、目尻の釣り上がりは大きく、小さい眼点は斜めに打っているようで、集中度の強い鋭い表情となっている。
写真(3)で昨夜のこけしとの表情の違いを示す。胴模様の基本構成は昨夜のこけしと同様であるが、本稿のこけしでは、3列に描かれた花の数が左右は1輪(真ん中は3輪で同じ)と少なく、また上部の花冠も昨夜のこけしほど複雑にはなっていない。製作時期は、昨夜のこけしが昭和初年から4,5年頃ということで、それよりはやや古く、昭和の初め頃と思われる。
| 固定リンク
「山形系」カテゴリの記事
- 第1001夜:千夜一夜完結!(友の会4月例会)(2015.04.27)
- ★小林清次郎さん、会田栄治さん逝去さる!(2015.03.17)
- 第942夜:安太郎の小寸こけし(2014.06.19)
- 第925夜:こけしとえじこのセット(2014.04.09)
- 第924夜:橘小物(鈴木安太郎)(2014.04.08)
「古品」カテゴリの記事
- <番外>こけし談話会(2015.05.11)
- 第1000夜:ステッキこけし(小関幸雄)(2015.04.19)
- 第999夜:極美古品(伊豆定雄)(2015.04.13)
- 第998夜:佐藤慶治のこけし(H27花見)(2015.04.01)
- 第997夜:鶴松のこけし(2015.03.28)
コメント