第676夜:鳴子の豆こけし
写真(2)は1番大きなねまりこで大きさは1寸5分。大沼竹雄の作ではないかと思われる。胴や肩の黄色も残っており、保存状態はとても良い。頭は緩い嵌め込みで簡単に回る。但し、胴底は写真のように刳り抜かれている。当然、何かがはめ込まれていたものと思われるが該当するようなものは付いていなかった。形状から郵便こけしとは思われず用途は不明である。
写真(3)はねまりこ3点。大きさは7分。これも保存状態は良く、赤と緑のロクロ模様が鮮やかである。形態はあきらかにねまりこであるが、胴のロクロ模様といい、頭頂部の蛇の目状の黒い模様といい、土湯系かとも思わせる。左右の眉・目が開いた洒脱な表情が素晴らしい。
写真(4)はたちこ2点とねまりこ2点。右から2番目は大沼竹雄の郵便こけしの蓋(第553夜参照)と分かるので、それと表情が殆ど同じ左端のたちこも竹雄作ではないかと思う。右端のねまりこも大沼系と思われるが面描が何ともぎこちなく、秀雄さんの作かなとも思っている。さて、左から2番目のたちこは頭頂部に何の描彩も無い。何となく岩蔵の系統を思わせるのだが・・・。胴模様も何なのか良く分からない。
いずれにしろ、一度鳴子に行って調べてみる必要がありそうである。
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コメント
写真(4)の左から2番目の立ち子、どことなく興味をそそられますね。自分は岩蔵が好きなので個人的には一番好きです。岩蔵本人の作っぽい感じの様ですが、実際の所どうなのでしょうか?。是非知りたいです。
投稿: 益子 高 | 2012年2月25日 (土) 00時13分
ねまりこ、いいですね~。
欲しいとおもうのですが初心者の私はまず基本形を集めてから・・・と我慢しています。
写真(3)のものが私好みです!
昨日土湯の「味工房ひさご」さんで陳野原幸紀工人から「京都の御所人形からインスピレーションをもらって描いた」というこけしを頂きました。
料理を待つ間、おっくり返しひっくり返しイトオシク見ていたのがいかにも「物欲しげ」だったのでしょうか(汗)
「この顔はこの1本だけだよ」と言われ天にも昇る気持ちでした。
土湯の工人さんたちは皆あたたかです。
投稿: ピノ助 | 2012年2月25日 (土) 10時17分
益子様
桜井昭二さんが存命であれば、かなりのことが分かったと思うのですが…。何しろ小さい物ですから、なかなか決め手はないのかも知れませんね。何か分かれば、またご報告します。
投稿: 国恵志堂 | 2012年2月25日 (土) 23時12分
ピノ助様
土湯にはよく行かれるようですね。
産地に近い方は羨ましいです。
工人さんと親しくなると、思わぬ物が手に入りますね。
大事にして下さい。
投稿: 国恵志堂 | 2012年2月25日 (土) 23時16分
竹雄と善松と岩蔵っぽいですね。
投稿: しょ〜じ | 2012年2月26日 (日) 00時19分
桜井さんが亡くなったことは、ただ単に名工の死だけでなく、戦前の鳴子の生き証人が居なくなったというこけし界にとっての大損失と言えますね。本当に残念でした。先日亡くなった作並の平賀謙次郎さんも戦前作の残る工人の生き残りの一人であるだけに、惜しい人でした・・合掌・・。
投稿: 益子 高 | 2012年2月26日 (日) 16時17分