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第692夜:昭二と勇

Isamu_s30naka_kao
4月になり、すっかり春めいた気候になってきた。この冬は寒いこともあり、また長期間体調を崩したこともあってあまり身体を動かさなかったことで、身体の節々がスムーズに動かなくなった。このままではまずいので、とにかく外で身体を動かすことが大事と思い、万歩計を付けてランニングに行ってきた。ランニングと言っても歩いているのと殆ど変わらない速さである(苦笑)。1時間45分で約13,300歩。疲れた割に歩数は伸びなかった。ちょっと風はあったものの、暖かい日差しの中、道端には春の花が咲き誇り、何とも気持ちの良いランニングであった。さて、今夜のこけしは鳴子系の五十嵐勇さん。勇さんは昨年の10月に惜しくも亡くなられた。口絵写真はそのこけしの表情。

勇さんのこけしについては、第608夜で昭和62年作の細胴岩蔵型を紹介した。勇さんは桜井昭二さんの弟子として修業を重ね、岩蔵型一筋にこけしを作り続けた工人である。今回入手したのは、昭二さんのところから独立する頃の作であろうか。

Isamu_s30naka_hikaku

写真(2)をご覧頂きたい。左が昭二さんの6寸で、右が勇さんの7寸である。両方とも昭二さんの作と言われても区別は付かないのではないだろうか。それほど昭二さんに肉薄したこけしである。このこけしは岩蔵の初期の型。蕪形の大きな頭の上方に顔を描き、肩の山は大きめでロクロ線は無い。肩口には太い鉋溝を1本入れ、その上下を太い赤ロクロ線と細い赤ロクロ線で締めている。簡素さの中に豪快さを感じる。胴模様は上部に横菊か車菊を描き、下部には花弁の多い菊花を垂れ菊のように流す。上下を赤ロクロ線で締めた白胴に、赤い菊花が何とも華麗である。昭二さんから独立することによって、勇さんのこけしも次第に独自色を濃くしていく。しかし最後まで岩蔵型に拘っていたようだ。

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