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第733夜:瀬谷幸治の芳蔵本人型

Koji_yoshizo_kaoこけしの縁と言うものは本当に面白いものである。先週、戦前の中の沢こけしを入手して、その紹介をしたが、24日の友の会に出掛けてみると、抽選こけしの中に芳蔵本人型と覚しきこけしが出ていた。それは瀬谷幸治の作であったが、何とも気が惹かれるものであった。この抽選品を手に入れることが出来たのは、やはり縁続きの賜であったのかも知れない。今夜は、そのこけしを紹介したいと思う。口絵写真は、その表情である。

瀬谷幸治は、昭和27年、猪苗代町の生まれで、瀬谷重治の長男である。昭和47年6月頃より父重治について木地修業を始め、こけしは昭和48年頃より作っている。重治-幸治と2代に渡って、特色のある中の沢こけしを作っているが、現在休業中なのが残念である。

Koji_yoshizo_hikaku

写真(2)の先の2本と並べて見た。左が芳蔵、右が正進で、真ん中が幸治6寸である。胴底に「54.2」の書込があり、昭和54年頃の作と思われる。こけしを作り始めて6年程経ち、油の乗りきって来た頃である。肩のこけた木地形態と胴の牡丹模様、頭部の描彩から、戦前の芳蔵本人型を模したものであることが分かる。

Koji_yoshizo_bin_hikaku

写真(3)に頭部の描彩を比べて見た。頭頂部の蛇の目、前髪、横鬢が同一の描法であることが分かる。但し、小寸物のためか、前髪は芳蔵のように縦に筆を何筆も重ねたものではなく、横に3筆でサラッと描いている。芳蔵の持つ雰囲気とは異なるが、ちょっと生意気そうで愛らしい表情が何とも言えない。戦前の芳蔵本人型を自分なりに良く表現したこけしだと思う。

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