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第737夜:裕介さんの栄治写し(1)

Yusuke_eiji_s6_kaoいわき市の佐藤裕介さんからこけしが届いた。今年の3月に依頼した大野栄治の写し2種である。昨年の東日本大震災による原発事故で、佐藤誠孝さん一家は赤城山に避難してこけし製作を続けていたが、裕介さんは一足早く、いわき市に戻りこけしも作っていた。そんな厳しい状況下での製作であり、改めて感謝したい。今夜は2種の内の1つ、昭和6年の大野栄治(米浪旧蔵)の写しを紹介したい。口絵写真は、その写しの表情である。

Yusuke_eiji_s6_hikaku
写真(2)が、栄治の原作(左から3本目)と裕介さんの写しである。先ずはその素晴らしい出来を見て頂きたい。姿形から描彩まで、栄治のこけしを見事に再現している。原作こけしは第300夜で紹介しているが、古色が付いて実に良い色合いが出ているものの、緑や紫は殆ど飛んでしまっている。今回、裕介さんの写しにより退色した色も復元され、栄治のこけしが生まれた当時の華麗さが蘇った。梅の花の花芯に赤が入っているなど、戦前栄治の特長も忠実に写されている。戦後ピーク時の栄治こけしは、優しい微笑みの表情であるが、戦前のこけしは目尻がやや上がり気味で眉毛も太い、きつめの美人になっている。今回、眉を太めに描いてくれるよう頼んだこともあり、実に良い表情に仕上がっていると思う。大野栄治の良い写しが出来たものと喜んでいる。

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コメント

よいですね~。
なんかとってもホノボノします。

西田記念館で求めた裕介さんこけしの表情は、とても柔らかでおっとりとしており私も「お気に入りの一本」となっています。

投稿: ピノ助 | 2012年7月 3日 (火) 17時40分

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