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第743夜:裕介さんの栄治写し(2)

Yusuke_eiji_s20_kao第737夜で、佐藤裕介さんの戦前栄治の写し2種の内の1種を紹介し、続いてもう一方の1種を紹介するつもりが、大分間が空いてしまった。今夜は改めて、もう1種の栄治写しを紹介したい。「原」は第248夜で紹介したこけしで、栄治の戦前と戦後の特徴を併せ持った珍しいもので、戦前なら昭和16年頃、戦後なら復活初期の昭和26年頃の作と思われる。口絵写真は裕介さんの栄治写しの表情。

Yusuke_eiji_s20_hikaku

写真(2)が、栄治の原作(左から3本目)と裕介さんの写しである。こちらも、前回の写し同様に木地形態、描彩とも素晴らしい出来である。栄治のこけしは昭和20年代末から30年代初めにかけて戦後のピーク期を迎える訳であるが、この原こけしではその前兆はあるものの、表情などには戦前の名残が伺われる。この辺りをどう再現してくれるのかが、今回の写しのポイントでもあったが、ほぼ期待通りに仕上げっている。ただ、表情については多少のバラツキが見られる。前回(第737夜)の製作日が6/23で、今回の製作日が6/27となっており、短期間での製作のため、疲れで集中度がやや途切れてしまったのかも知れない。だが、それは依頼者の欲目というものであって、水準以上の出来であることには違いない。今回の写し作成が裕介さんの勉強の一助になれば幸いである。

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コメント

さすがに油絵をなさって美術を学んだ方は、ニュアンスと全体的な印象を掴むのが上手いです。一部分に特化しても全体の感じに特化しても、こけし、という造形物には大きな口外が生じるように思います。どちらをも審美眼に叶う写しを作る工人さんは多くないです。ますます期待できる方ですね。

投稿: nina | 2012年7月18日 (水) 15時56分

nina様
裕介さんは元々絵描きさんだから、絵を描くのは上手なのでしょうが、原品を見て作ると、また違うものですね。こういう写しを通してどう味わいを出してくれるのか、また楽しみです。

投稿: 国恵志堂 | 2012年7月19日 (木) 22時40分

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