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第748夜:是伸さんのけさの型

Yoshinobu_kesano_kaoカメイ美術館でのトークショーで、柿沢是伸さんは新作のこけしを持参していた。聞いてみるとけさの型だと言う。今年の春、ご両親の是隆さん夫妻が関西方面に出掛けた際、けさのの原物を見せて貰い、それを借りて復元作を作ったとのこと。それを是伸さんも今回、作ったのだと言う。わざわざ自宅に連絡して「原」の写真をメールで送って貰い、それをトークショーの会場でプリントして見せてくれた。今夜は、そのけさの型を紹介しようと思う。口絵写真は、けさの型の表情である。

けさのとは「大沼けさの」のことで、嘉永4年の生まれ。高橋勘治の姉である。大沼利右衛門と結婚したことが縁で、勘治は利右衛門の弟子となり、利右衛門系列(「高勘」)が形成されたのである。けさのは利右衛門の死後、自分で木地を挽いてこけしを作った。けさののこけしは「鳴子・こけし・工人」に掲載されている。なお、けさのこけし確認の経緯はこけし手帖12号に掲載されている。さて、「鳴子・こけし・工人」に載っているけさのこけしは、米浪氏蔵B2本(6寸4分、8寸)、米浪氏蔵C1本(7寸8分)、米浪氏蔵D4本(3寸7分、5寸8分、5寸9分、4寸)の7本である。B2本は肩の山がほぼ扁平で、Dはやや盛り上がりがある。D4本の内、立ち子2本を除いた2本は、肩の山が高く、胴上下に鉋溝があることから岩太郎系列の木地と思われる。

Yoshinobu_kesano_2hon

写真(2)は是伸さんのけさの型である。左が今回のけさの型で、右は以前から作っているけさの型である。「鳴子・こけし・工人」の米浪Bの8寸を模したものと思われる。この型は是隆さんが作っており、是伸さんはそれを真似たものであろう。目が二側目になっているが、「原」は一側目のようなので、「原」を見ての復元ではないだう。

Yoshinobu_kesano_hikaku_2

写真(3)は右が今回のこけしで、左は是伸さんから貰った「原」の写真。この写真から、「原」は「鳴子・こけし・工人」の米浪D5寸9分であることが分かった。是伸さんの木地は、やはり岩太郎系列ではないので、肩の山の盛り上がりや上下の鉋溝の雰囲気がやや異なる。あと、これは是伸さんも言っていたのだが、「原」の目は一筆目ではなく薄く眼点が入っているようだ。是伸さんには、その辺りも研究して頂きたいものである。

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