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第754夜:初期庫治(2)

Kuraji_s40_kao9月に入り、昼間は未だ暑いものの朝夕は大分涼しくなった。こけし界も秋のシーズンに突入し、鳴子の全国こけし祭りも盛況の内に終了したようだ。鳴子には何回も行ったことはあるが、こけし祭りには縁が無く、今年こそはと思っていたが腰の具合が思うに任せず参加を取り止めることになってしまった。本ブログの方も更新が滞っており申し訳ない次第である。今夜は、8月に入手したままになっていた庫治のこけしを眺めて見たいと思う。口絵写真は、その庫治の表情である。

Kuraji_s40_hikaku

写真(2)は「初期庫治」と言われる庫治こけしである。右が本項のこけし(6寸)で、ひだりは第599夜で紹介した8寸である。「初期庫治」については、「木の花(第拾参号)」に『初期庫治こけし』と題した中屋惣舜氏の記事が載っている。それによれば、「初期庫治」は昭和40年から42年初めにかけての2年間に作られたもので、作品数も少ないと言う。

庫治の初作は昭和20年2月に「たつみ」で売られた6寸(①)で20本程であったと言う。同年4月には友の会の例会で同手のものが初作で頒布されたともある。「こけし手帖66号」(昭和41年9月発行)に『新進工人紹介』として庫治の紹介とこけしの写真が載っているが、そのこけしが例会での頒布品であろうか? 「木の花」には、昭和40年5、6月の作(6寸:②)載っており、「こけし(三彩ガイドブック)」掲載品も同手だと言う。「木の花」には、製作時期の判別法として頭頂部の手絡の様式を例示している。

Kuraji_syoki_konohana_2
写真(3)は「木の花」に掲載された初期庫治で、右が①、左が②である。木地形態、胴模様にやや違いがあるのが分かると思う。ところで、本稿のこけしには胴底に「40.2.10」とペンでの記入がある。これが購入日であるとすると「たつみ」で売られた初作①と考えられるが、手馴れていない表情は①に似ているが、木地形態、胴模様、それに手絡の形式(B)は②と合致するのである。これはどう考えたら良いのであろうか。

Kuraji_syoki_tecyo

写真(4)は、右が手帖66号に掲載された写真、左が三彩ガイドブックに掲載された写真。いずれも初期庫治である。

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