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第763夜:通の梅こけし

Toru_cyuzo_ume_kaoここのところ、ヤフオクに高橋通さんのこけしが集中的に出品されている。その中に、一風変わったこけしが出品されていた。出品の解説には「珍品の梅こけし(忠蔵復元)か?」とある。本来の土湯系の形態・描彩ではないし、普通ならパスするのだが、第371夜で紹介した忠蔵の梅こけしの復元であろうことは直ぐに分かったので、並べて比較するのも良いかなと思い、入札に参加した。今夜は、運よく我が家にやってきた通梅こけしを、忠蔵梅こけしと比較しながら鑑賞したいと思う。口絵写真は、通さんの梅こけしの表情である。 

Toru_cyuzo_ume_hikaku

写真(2)の左が忠蔵の梅こけし(6寸1分)で、右が通の梅こけし(6寸)である。この梅こけしは第371夜で紹介したように忠蔵が大野栄治の梅こけしを模して作ったものであり、通さんは、その忠蔵梅こけしを復元したものなのであろう。おそらく、収集家が元になる忠蔵梅こけしを通さんに見せて、作って貰ったものと思われる。形態的には、通こけしの頭頂部の方が扁平で横長であり、胴は細めですっきりしている。また通こけしの材質は大理石のように綺麗に磨かれている。頭部の描彩は大きさに差はあるが、梅の鬢飾りを含めて全て同一である。但し、忠蔵こけしは眉と目の間隔が離れており、通こけしはくっついているため表情には違いが見られる。一言で言えば、やはり通こけしは現代的になっていると言えるだろう。

Toru_cyuzo_ume_domoyo

写真(3)に胴側面を示す。胴の梅模様には梅の花数に若干違いが見られる。中でも一番の違いは、通こけしには鳥が描かれている点である。梅の木に留まっていることから、鳥は鶯と思われる。この鶯に関しては、忠蔵さんも時々描いているようで、こけし手帖256にその記載がある。

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写真(4)は忠蔵のその「梅に鶯」模様。

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コメント

こけし全体も素敵ですが、側面の鳥が魅力的ですね!通工人のこのようなこけし、初めて見ました

投稿: yukaru0611 | 2012年9月21日 (金) 02時42分

・忠蔵さんの梅こけしは、「大野栄治さんの梅こけしを模して作られた。」とのことです。土湯系の忠蔵さんが、師弟関係のない、継承性のない弥治郎系の梅こけしを作られました。伝統こけし界での一般的な系統、継承性概念において何ら問題性はなかったのでしょうか?そして、現在において、忠蔵さんんの孫の通さんが忠蔵さんの梅こけしを原にされて作られています。また、友の会8月の例会では、久太郎作の盛秀型こけしが公において頒布されていました。ブログや例会での公開性とは、これら制作を承認され得ていると言うことでしょうか?
 (私自身は、「何ら問題はない。」との考えです。)

投稿: 坂入 | 2012年9月21日 (金) 09時51分

yukaru0611様
コメント、ありがとうございます。
鳥を描いた胴模様というと、遠刈田系の佐藤秀一の「花鳥文様」が有名ですが、忠蔵もお遊びで描いたのかも知れません。面白いですね。

投稿: 国恵志堂 | 2012年9月21日 (金) 19時13分

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