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第785夜:木肌こけし

Haruji_kihada_kao今夜は、ちょっと変わったこけしの話である。胴の一部に原木をそのまま使用し、木肌をそのまま残したこけしがある。正式な呼び名を知らないので、便宜的に「木肌こけし」と称しておく。この木肌こけし、戦前から作られており、胴に桜の原木をそのまま使った大沼岩蔵のこけし等は良く知られている。今夜は、弥治郎系の本田亀寿と佐藤春二の木肌こけしを紹介したい。口絵写真は、春二のこけしの表情である。

Haruji_kihada_hikaku

写真(2)に亀寿(左)と春二(右)の木肌こけしを、前と後ろから写したものを示す。亀寿は大きさ5寸3分、戦前のこけしと一緒に入手したので、これも戦前の亀寿こけしと思われる。頭と胴の上下のロクロ線は普通のこけしの描彩である。木は何であろうか。春二は大きさ7寸1分。昭和30年代の作で、こちらは胴下部のみ木肌で枝の出っ張りも残っている。木は不明。春二はえじこやねまりこ型のものに良く木肌を残したものを作っているが、こけし型のものは珍しい。純粋なこけしとは言えないが、これはこれで面白いものである。

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