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第779夜:こけし談話会(幸九郎)

1211danwakai_ko9ro_s12kao昨日は、東京こけし友の会の「こけし談話会」があり出席したので、今夜はその報告である。談話会のテーマは、「渡辺幸九郎のこけし」で、幸九郎のお孫さんであるご夫妻を含め、15名の出席があった。幸九郎のこけしは、戦前の下ノ原時代、鎌先時代(昭和7年~)と、戦後のものもあり、幸九郎の各製作時期による変化を確認することが出来た。口絵写真は超大寸(尺5寸か)の幸九郎(昭和12年作)の表情である。なお、掲載写真では、こけしの色彩が背景の壁の色に溶け込んで見難くなっているので、ご容赦願いたい。

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写真(2)は下ノ原時代の作である。左端は、幸治郎名義のもので頭が縦長であり、やや雰囲気が異なる。右の7寸2本は、木形子洞頒布のものか。

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写真(3)右は、胴底に昭和15年作の記入があるが胴の形態、面描が他の幸九郎とやや異なる作である。木地形態は胴の中ほどに緑の帯が入っており、首の襟巻も通常のものと形が違う。幸太系列の佐藤今三郎の形態に似ている。また、眉がこれほど太く力強いのは他で見たことがない。写真(3)左は、参考の鎌田文市古作である。

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写真(4)は小寸物であるが、何とも愛らしいこけしである。幸九郎のこけしはロクロ模様が多いが、右から2本目は、新山系列のペッケのように胴中央を縊らせ、襟と裾模様を描いている。

なお、昭和10年代の後半のものは、本ブログの第536夜と第661夜のこけしを参照されたい。

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