第801夜:秋山清一のこけし(2)
写真(2)は出品されていた2本の胴底である。左の大きい方は胴底が仕上げられており、「秋山慶一郎」と書かれている。右の小さい方は鋸での切りっ離しのままで「青森 21.12.26」と書かれている。青森にて昭和21年12月26日に入手したものであろうか。
写真(3)の右2本が今回入手したもの(大が6寸、小が5寸)で、左端は第499夜で、また左から2本目は第260夜で紹介したものである。清一は昭和17年頃から22年頃までこけしを作っており、左端はその初期の頃(17、8年頃)の作である。右端は昭和21年末に入手したと思われるもの。表情にはかなりの違いが見られ、手慣れてきているのが分かる。清一の楓模様は独特であるが、左端では葉先が3つに分かれているが、右2本では5つに分かれている。なお、右端のこけしには緑色は使われておらず赤と黒だけの描彩である。また、4本を比べてみると、左から目の位置が段々上がってきており、右から2本目では頭が平頭になっていることもあって、慶一郎を彷彿させる。胴の楓模様がなければ慶一郎と言われても判断に苦しむところである。清一のこけしは慶一郎として流布していることが多いので、良く見る必要があるだろう。
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