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第818夜:角四郎のこけし(初期)

Kakushiro_s15_kao蔵王系の石沢角四郎のこけしは昭和15年9月に深沢要氏が訪問し、依頼されて作ったもの以降のものしか確認されていない。その深沢氏による復活最初のこけしは、「こけし辞典」に掲載されているように、十日月形の目が特徴的なものである。その後、昭和16年1月の「鴻」頒布のものでは、目が三日月形になっているから、この十日月目は昭和15年の4か月ほどの間に作られたものということになる。先日ヤフオクに古いこけしが6本ほど纏めて出品された中に、この初期角四郎と思われるこけしがあったので、紹介したい。口絵写真はその表情である。

Kakushiro_s15_hikaku

写真(2)の右がその初期角四郎(5寸)で、左は戦後の昭和30年代前半の角四郎(6寸1分)。初期角四郎は「こけし辞典」1本、「愛玩鼓楽」3本、「こけし加々美」2本、「山形のこけし」1本、「原郷のこけし」2本などに掲載されているので、それほど珍しいものではない。頭はおおむね縦長で、胴は細身である。頭部の描彩は手絡模様と黒頭の2種類がある。本項のこけしはそれらの特徴を備えており、まさに初期角四郎である。十日月の目は顔の中央よりやや下にあり眉との間が開いている。また眼点が中央に寄った寄り目であるため異様な雰囲気を持っている。小寸のためか、頭と胴は作り付であり、1mm程の首が見えている。頭の形は違うが、「原郷のこけし群」の(204)角四郎5寸1分とほぼ同じである。

さて、本項のこけしの最も大きな特徴は、その胴模様である。前記の初期角四郎の胴模様は全て「重ね菊」である。本項のこけしのような胴模様は見当たらない。復活期のこけしに描かれているということは、角四郎がそれ以前に作ったこけしにも描かれていたのであろうか。他の重ね菊の花弁のように細い赤線が円形に描かれ、これは菊を斜め上から見たものであろうか。そして、真ん中下には赤い楕円状の赤丸が描かれている。これは蕾なのであろうか。蕾にしては大き過ぎる気がする。また実であるとするなら、花は菊ではないのかも知れない。

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コメント

いつもお世話になっております。3月例会で友の会の入ったばかりの若い女性と話をした時、こちらのブログはこけしのことを調べる上での教科書だと言っていました。私もこけしのことで検索するとこちらの記事で明らかになることが多く、とても助かります。

投稿: yukaeru | 2013年3月25日 (月) 01時37分

yukaeru様
例会お疲れ様でした。
そう言って頂けるとやる気が高まります。
こけしを楽しむ上で何かの役に立てれば嬉しいことです。
これからもよろしくお願い致します。

投稿: 国恵志堂 | 2013年3月25日 (月) 14時13分

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