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第824夜:福寿のエジコ(造幣局の桜)

Fukujyu_ejiko_kao16日から17日まで、関西に花見ツアーに行って来た。関東ではとっくの昔に桜は終わってしまい、こんな時期に桜はあるのかと思ったが、有名な大阪造幣局の通り抜けが16日から開催ということで、このようなツアースケジュールになったらしい。午前中は京都の遅咲きで有名な仁和寺の御室桜を見に行ったが、案の定すっかり青葉に変わっていた。夕方近く、造幣局に着く。平日なのに大変な人出。一方通行の通りの両側には各種の桜が植えられている。一番の見頃という触れ込みであったが、既に散っている桜もあり、今年の早咲きには造幣局の担当者も予想がずれたのであろう。さて、本題は遊佐福寿さんのエジコである。エジコは木地玩具類に入り、こけしとは区別して扱われるために伝統の縛りも少なく、各工人が色々と工夫して面白いものを作っている。口絵写真は福寿さんのエジコ(大正型)の表情、眉は薄墨で描かれている。

Fukujyu_ejiko_all

写真(2)は福寿さんの各種エジコ。後列左から、大正型(径13cm、高13cm)S53年蓋形、普通型(径13cm、高15cm)S44年蓋形、普通型(径10cm、高10.5cm)S57年蓋形、前列左から、勘治型(径9cm、高9.5cm)H1年蓋形、勘治型(径10cm、10cm)S50年代前半蓋形、黒頭(径5.5cm、高6cm)S32年、勘治型(径10cm、高11cm)S51年蓋形、橘勘治型(径9cm、高10cm)蓋形、最前列中央は勘治型(径7.5cm、高8.5cm)S30年代中頃。

Fukujyu_ejiko_s30dai

写真(3)は昭和30年代のエジコ。この時期のエジコは普通の形(蓋形ではない)で、胴にザラ挽きも入っていない。左は胴底に「木偶坊」のシールと「32.5」の書込みがあり、頭は黒頭で顔は上向き、眉と横鬢は薄墨で描かれている。胴の菊模様は前面の1個のみで肩の山の菊は前後に2個描かれている。右のエジコも形態と胴、肩の山の菊模様は左と同じ、勘治型としては初期のものと思われる。

Fukujyu_ejiko_kanji

写真(4)は勘治型のエジコ。左端は写真(3)の右と同一。左から2番目と右端は肩の山に襟が描かれている。右から2番目はエジコに良く見られる、顔を上向きに描いたものである。

以下は、大阪造幣局の桜である。

Sakura_zohekyoku1

Sakura_zohekyoku2

Sakura_zohekyoku3

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