第849夜:親子のこけし(佳隆・美恵子)
試しに、インターネット検索で「高橋美恵子」を探して見たが、全く見つからなかった。これは、ぜひとも掲載して紹介しなくてはと思った次第である。
写真(2)の左は佳隆さんの7寸。東京こけし友の会創立30周年記念こけしである。詳細は第142夜で紹介しているが、きん古作の復元作である。今回の美恵子作は、大きさが同じ7寸で胴模様も同じ菊なので「親子こけし」とした。佳隆作はきんのこけしを元にした写しであるが、美恵子作も同じきん写しかどうかははっきりしない。角張った頭の形、直線的な胴の形など佳隆作とはやや異なる。面描にしろ胴の描彩にしろ、様式は同じであるが、筆使いなどは全く異なる。佳隆さんは硬筆であるが、美恵子さんは更にきっちり描いており、きんの柔かで自由な筆使いによる味わいとは別種の趣である。きんのこけしを元にして作ったこけしでも、出来上がったこけしには工人の個性が表れているのである。良いとか悪いとか、上手いとか下手とか、そういう判断ではなく、それぞれのこけしの味わいを楽しみたいものである。
ところで、美恵子さんについて調べてみた。こけし手帖285号(S59年12月)の「10月例会頒布こけし」が文献での初紹介のようだ。それによると『昭和33年12月28日生、高橋佳隆次女。(通さんの妹) 昭和56年より描彩を、昭和57年春頃より木地を父佳隆について修業、58年友の会正月例会で頒布した。』とある。但し、こけし手帖の正月頒布こけしには写真紹介がなく、正月頒布品がどのようなものかは分からない。その後は手帖306号(S61年9月号)の「7月例会頒布こけし」に6寸が紹介されている。
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コメント
恵美子さんは57年12月13日に初挽きで独楽を作成したと聞きました(独楽があります)。
投稿: | 2013年8月24日 (土) 22時37分
恵美子さんでなく美恵子さんせした。
投稿: | 2013年8月24日 (土) 22時40分
貴重な情報、ありがとうございます。
美恵子さんの57年12月と思われる小寸こけしがあります。
今まで確信がなかったのですが、今回のコメントではっきりしました。後日、そのこけしを掲載します。
投稿: 国恵志堂 | 2013年8月24日 (土) 23時38分