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第881夜:橘コレクションのこけし(新山栄五郎)

Ei5ro_s5_kaoここのところ、ヤフオクに古品の出品が続いている。保存状態は良くないが昭和一桁台が中心の「☆激安…」さんは出品本数が100本を大きく超えた。一体どこまで続くのであろう。一方、昭和10年代が中心だが保存状態の良い「宝舞★・・・」さんの出品も続いている。人気のこけしは相当の価格になり、年金生活の懐を直撃する。古品は偶に出るから頑張れるのであって、こう常時出てくると金持ち以外は対応しきれない。指を咥えて見ているしかない。さて、今夜は以前入手した橘コレクションの新山栄五郎である。「こけしと作者」96頁の第26図、右から3番目の現品である。口絵写真は、その表情である。

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写真(2)がその栄五郎こけし。大きさは1尺4分、胴は頭への嵌め込みで南部系のキナキナのように緩く、頭にはガラが入っているので、胴を持って振ると頭がくらくら揺れてガラの音がする。何とも玩具っぽくて良い感じである。

栄五郎こけしの年代変化については「木の花(第弐拾九号)」で詳しく述べられている。それによると、栄五郎の髷こけしは大正の初めに仙台で開かれた博覧会の為に作られたもののようだ。当初のものは頭が異常に大きく胴は短めで三等身であった。

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写真(3)は頭頂部と胴底のラベル。本項のこけしには橘コレクションのラベル以外に年代を示すような書込みなどはないが、頭頂部の髷の鹿の子模様が繋がっていないなど、「木の花」掲載写真⑥と共通する特徴があり、同じ頃(昭和4,5年頃)の作品ではないだろうか。ただ、「木の花」⑥と比べると頬がふっくらしており、その分眉目が真ん中に寄っておらず、ゆったりした表情になっている。細く鋭く描かれた眉目、点状の鼻と口、小さな頬紅が愛らしく、素晴らしい出来である。

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この栄五郎も橘コレクションの他のこけしと同様、写真(4)左のように相当に黒く汚れていた。特に頭頂部の鹿の子模様は殆ど隠れていた。例によって、消しゴムでの汚れ落としで写真(4)右のような状態となり鹿の子模様も鮮明になった。胴は上部のみ汚れ取りを行った。全体的には程良い状態になったものと思う。

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コメント

本当に,古品、値が上がりすぎです。昭和一桁のものは、画像で見て30年、40年のものでいいもの、ゲットするしかありません。なかには、思いがけないものも、手にいれられますから。そうやって、楽しむのも、長く集蒐コツかもしれません。40年来集めておりますが、高価なものは、ありませんが、同じ工人で年代の違いもたのしいものです。お金がすべての手段ではありません。
貧乏人の、ひがみかもしれませんが。

投稿: たー坊 | 2013年11月23日 (土) 22時04分

たー坊様
こけし収集を長く続けるには身の丈に合った収集を心懸けるのが大切なのだと思います。最近はネットへのこけしの出品が多くなり、そこから思わぬ掘り出し物を安価に入手することもあります。そういう楽しみ方でネットオークションを活用すれば良くコレクションが出来ると思います。一方で、古品には古品でしか味わえない時代の香りというものがあり、これも捨て難いものです。多く出品される古品の中には安価に入手できるものもあり、それらを地道に追いかけるのも良いかも知れません。

投稿: 国恵志堂 | 2013年11月24日 (日) 00時26分

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