第890夜:阿部4代(阿部金一)
阿部金一は大正8年7月11日、土湯の生まれ。阿部治助の長男である。小学校卒業後の昭和9年に父治助について木地修業。こけしは昭和13年頃より作り始めたらしい。現存こけしは14年以降のものと思われる。昭和20年1月24日に病没しているため、残るこけしは少ない。金一の14年頃のこけしは治助を写したものであったが、15年頃からは目が二側目となり、治助とは趣の異なる溌剌とした明るい表情のこけしとなった。
写真(2)が本項の金一こけし。大きさは8寸6分、胴底に「17.11」の書込みがあり、昭和17年11月入手と思われる。15年頃からの金一独自の表情の延長線上のこけしと思われるが、目は一側目となっており、ちょっとおどけた表情にも見える。胴中央下部の赤の波線が大きく密になっているのが印象的である。
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コメント
阿部 勝英は何処の位置にはいるのですか?
投稿: こけしフアン | 2013年12月14日 (土) 17時33分
こけしフアン様
勝英は、シナが金一が早逝したため再婚した夫で、敏英という息子がいます。従って、治助-シナ・勝英-敏英という流れもあります。
投稿: 国恵志堂 | 2013年12月16日 (月) 18時06分