第894夜:伊藤宏美のこけし
宏美のこけしを始めて目にしたのは、東京こけし友の会のおみやげこけし(昭和59年11月)である(第403夜参照)。その解説を引用しよう。『本来ならば、昨年はじめに登場してくれるこけしである。親子組合わせの企画でおみやげこけしを取り上げた折に、親子そろって作品が出来る時には、先ず一番に取り上げたいとの申し出に、父松一さんがこたえて実現したものである。唯事情があって、この作品が世に出る前に本人はこけしから離れてしまっており、松一さんのこけしも種々の事情があって今日迄作品が出来ていないが、時間的な面を考慮して了解を得て単独で採用することになった。作品は、はじめてとは思えないまとまりを見せており、惜しいの一言につきる』と。
写真(2)が本項の宏美のこけしである。大きさは6寸。上述の事情から昭和58年前後の作か。伊藤松三郎から連なる伊藤家伝来のこけしである。木地形態、面描とも実にしっかり描かれている。胴模様は楓した見たことがないが、胴一杯に描かれていて鮮やかである。
写真(3)は、真ん中が本項のこけし、左が上述の友の会おみやげこけし、右は祖父にあたる松三郎のこけしである。父松一よりも松三郎に近い雰囲気を持ったこけしである。
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