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第898夜:日本伝統こけし展入賞こけし(我妻信雄)

Nobuo_kokeshiten2_kao正月2日は箱根駅伝で迎えるのが恒例となっている。昨年優勝の日体大が1区トップで始まったが、2区で区間新も期待された山梨大のオムワンバが突然の足の故障でリタイアするなど、何が起こるのか分からないのが駅伝である。明日の復路は東洋大と駒沢大の優勝争いとなるようだ。さて、昨夜は第1回日本伝統こけし展の出品こけしの話をしたが、今夜は第2回日本伝統こけし展に出品された我妻信雄のこけしである。口絵写真は、その信雄こけしの表情である。

第2回日本伝統こけし展は、昭和59年6月8日から13日まで開催された。前年の革新的なこけし展はやはり無理があったのか、今回は従来通りこけし関係者16名による審査でコンクールは行われた。なお、こけし展に併催するかたちで井上ゆき子さんの個展も行われ人気を博した。コンクールには96点の出展があり、大賞1点、優秀賞10点、佳作20点が選ばれた。本項の信雄こけしはこのコンクールで優秀賞を受賞した現品である。

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写真(2)がその受賞こけしで、大きさは1尺である。我妻信雄は昭和47年頃より小原直治のこけしを追求し、それは50年代の前半には完成の域に達し、その後は小原直治をベースにした自身のこけしを目指していた。

Nobuo_kokeshiten2_hikaku
写真(3)は左が本項のこけしで、右はちょうど2年前の昭和57年6月である。右のこけしでは頭はやや縦長で、眉目は湾曲が大きくアクセントも出ている。鬢は顎の下まで長く伸び、鋭い眼差しの中に潤いと甘美さを含んだ明敏な表情になっている。直治の写しを通じて追及してきた「信雄こけし」の1つの到達点と言ってよいだろう。左のこけしでは、頭の形が縦横同じくらいの長さとなり、目の位置も顔の中央に描かれて、頬がふっくらとした感じになっている。眉目のアクセントは無くなったが、目の表情には見るものの心を捕えて離さないエネルギーを感じる。右のこけしから更に一段進化したことが覗われる。信雄はこの後も同趣のこけしを作り続けていたが、昭和63年に病に倒れ、以後一時的にこけしを作ったが、本項のようなこけしを作れるまでには回復せず、昨年82歳で亡くなっている。

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