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第897夜:日本伝統こけし展入賞こけし(遊佐福寿)

Fukujyu_kokeshiten1_kao新年おめでとうございます。2014年は平穏な内に始まり、関東地方でも素晴らしい初日の出を拝むことができた。本ブログも1001夜まであと100夜あまり。何事もなければ今年中に達成できそうである。昨年の大晦日にヤフオクで入手した1本のこけしが送られてきた。遊佐福寿のこけしである。出品解説には「昭和58年に東京の某デパートで開催された、第1回の全日本伝統こけし展の大賞作の現物です。」とあった。そこで同展示会の小冊子の受賞こけしの写真と比べてみると、確かに同じもののようである。但し、出品解説では大きさが26cmとあるが、写真では7寸となっている。さて・・・。新春第1夜はその福寿こけしを紹介しよう。口絵写真はその表情である。

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写真(2)は自宅のベランダから見た初日の出である。

東京の小田急百貨店では第2次こけしブームの昭和48年から毎年、「東観」主催で「伝統こけし30人展」が開催されており、それは57年まで10回に渡った。この30人展は10回を区切りとし、58年には内容を拡大して「第1回日本伝統こけし展」として開催された。このこけし展では、審査員にこけし関係者だけでなく、写真家(秋山庄太郎)、日本画家(福王寺法林)、彫刻家(飯田善国)、人形作家(金林真多呂)、人形研究科(アン・へリング)を加えて、より広い方々から「こけしの美」を評価するという革新的なものであった。

このこけし展(コンクール)には125人の工人から224本の出品があり、6月4日に上記の方々を含む10名の審査員により審査が行われ、大賞1点、優秀賞10点、佳作20点が選ばれた。展示会終了後、この展示会への出品作は受賞作も含めて一般に販売された。

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遊佐福寿の出品作は、このこけし展で優秀賞に入選している。写真(3)がその現品こけしである。大きさは8寸5分。従って小冊子に記載の「7寸」は間違いである。このこけしは、盛古型と言われるもので、昭和7年の橘頒布頃の盛こけしを「原」としている。その初作は昭和52年の全日本こけしコンクールの出品作である(詳細は第11夜参照)。角張った肩(肩の上面も赤く塗られている)と平頭が特徴のこけしである。

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写真(3)は右から、昭和56年11月、本項のこけし(昭和58年6月)、平成3年12月の盛古型である。この型は昭和52年から作られ始めたのであるが、56年頃より平頭がより顕著になり、細胴でスラリとした形態になる。また、口も当初は赤1点であったのが、中が開いた丸口となる。眼点は大きめで目尻の上がった張りのある表情、頭頂部の水引は4筆、鬢飾りは2筆または3筆である。胴模様は丸い正面菊を2輪重ねたものが基本であるが、本項のこけしのように上部を横菊にしたもの、また6寸程度のものには2輪の楓を描いたものもある。

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コメント

こんにちは。
ちょっとムスっとしていてすごくかわいいこけしですね。
一期一会で「これだ!」という出会いが面白いですね。
後の巻きの信雄さんも好きですが亡くなられたのですね・・

それでは今年もよろしくお願いいたします。

台東区のNT。

投稿: | 2014年1月 3日 (金) 15時48分

NT様
新年最初のコメントありがとうございます。
戦後のこけしにも魅力的なものは沢山あります。
福寿、信雄もその一人で、良いこけしを作りました。
二人とももう少し長く健在であればと惜しまれます。
本年もよろしくお願い致します。

投稿: 国恵 | 2014年1月 4日 (土) 21時21分

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