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第909夜:伊豆徹さんの定雄エジコ写し

Torui_sadao_ejiko_atama

今夜も昨夜に続いて、伊豆徹さんに作って貰った定雄エジコの写しの紹介である。「原」のエジコについては第615夜で紹介しているが、やはり一番気になったのは「独楽」かどうかという点であった。徹さんもこのようなエジコを見たのは初めてと言うことで、当初は底の蓋の部分が経年変化で盛り上がったものではないかと話していたが、よくよく見て、また回して見たりして、これは独楽としても回るように作られたものだろうという結論に至った。口絵写真は、徹作エジコの表情である。

Torui_sadao_ejiko_hikaku

写真(2)に「原」(左)と徹さんの写し(右)を並べて見た。このエジコも現物は持ち帰ったので、その場で撮った写真と寸法スケッチによって作られたものである。そのため、昨夜のこけしと同様、木地形態は「原」よりやや大きく作られている。

Torui_sadao_ejiko_kubi_hik

写真(3)は頭と胴の接続状況。共に首が長い「抜け首」でクラクラ動くが、徹作の方がかなり長い。頭は定雄作は縦長の紡錘形であるが、徹作は角張った球形となっている。頭髪は眉の上までであり鬢とは離れている。定雄の洒脱な垂れ目に対して徹の元気なパッチリ目も時代の香りを感じさせる。

Torui_sadao_ejiko_soko_hik

写真(4)は胴底の状態。胴は刳り貫いてあり、定雄作には中にガラが入っていて振ると音がする。このガラは首から入れたものかと思っていたら、徹さんは底が嵌め込みの蓋状になっており、そこから入れたのだと言う。徹作も同様に作ってあって、中には鈴が入れてあって振ると良い音がする。

Torui_sadao_ejiko_soko_2

写真(5)は胴底を横から見たところ。定雄作は胴底の端から中心部にかけて直線的に高くなっている。徹作もほぼ同様の作りであるが、中心部に独楽の中心となる突起を作っている。ところが、この突起のおかげでエジコを回転させると、胴底の端に当たってしまって残念ながら上手く回らない。

定雄のエジコは実に手の込んだ作であることが分かった。手に持って振ると中のガラとクラクラする頭が心地良い音を奏でる。そして、下に置いて回すと、独楽のように軽やかに回る。大きな肩部には全面に赤を塗り、胴の菊模様も二つは上向きに、一つは下向きに描き、間には水の流れのような曲線を入れている。この独楽エジコが銀山温泉のおみやげとして作られることを祈って止まない。

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