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第930夜:菅原さんの庸吉写し

Kazuhira_yokiti_kao

作28日、鳴子の菅原和平さんから、こけしが届いた。昨年11月、鳴子を訪問した折、作成をお願いした庸吉こけしの写しである。「原」となる庸吉こけしは、第803夜、804夜で詳述したものである。庸吉は幸八系列の主要工人であるが残るこけしは少なく、そのこけしは別系列の岸正規により復元されている。しかし、岸さんは先年亡くなっており、昭和43年に鹿間時夫氏の依頼で庸吉型を復元した菅原和平さんに白羽の矢をたて、お願いしたのである。口絵写真はその庸吉写しの表情である。

Kazuhira_yokiti_gensun

写真(2)が今回送られてきた庸吉写し(3本)である。右から2番目は「原」こけし。細身で頭の大きな木地形態を忠実に再現している。桜材を用い、ロー引きをしていないため、「原」と同じような色調に仕上がっている。面描の目に注目して眺めてみると、右端が「原」に一番近い雰囲気か。左端は目が中央寄りであどけない表情、左から2番目は下目ではにかんだような表情、右端はおっとりした表情と言えるだろうか。

Kazuhira_yokiti_atama

Kazuhira_yokiti_kao_hikaku

写真(3)(4)は写真(2)の右2本の「原」と写しの顔と頭頂部を比べたもの。「原」と比べると、写しは筆致がやや太いが、筆使いは「原」を良く写している。ざっくりした前髪と3筆の後ろ髪、大きな赤3筆の水引と鬢飾り、鬢横に描かれた珍しい3筆の赤点。口も墨2筆で描き、間に紅を差している。

Kazuhira_yokiti_7sun

写真(5)の左3本は「原」を7寸2分に縮小したもので、右3本は名和コレクションの庸吉型。菅原さんは、これまで深澤庸吉も作っていたので(第879夜参照)、これで3種類の庸吉型を作っていることになる。同じ庸吉型でも描彩様式にかなり違いがあることが分かる。

菅原和平さんは、師匠の岡崎家の伝統を継いだきっちりしたこけしを作っているが、それとは筆使いも雰囲気も全く異なる庸吉型も実に上手く作ってくれた。今後も、この庸吉型が長く作られることを期待したい。

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