第937夜:万之丞のこけし(戦前)
写真(2)が本項のこけしで、大きさは1尺。前所有者の解説では万之丞の自挽きとのこと。何と言っても、大きな平頭が素晴らしい。大沼岩蔵系列のこけしの頭は蕪形が代表的なのであるが、万之丞(自挽)は丸頭が多いようだ。均整のとれた胴は上部に太い鉋溝が1本、下部には細い鉋溝が1本入っている。肩の山の盛り上がりは大き目であるが、後年のようなウテラカシ(ザラ挽き)やロクロ線も入っていない。大きな頭や無彩の肩の山など、岩蔵の古いこけしと相通じるものがある。胴模様も菊3輪とラフに描いた茎葉のみでゴテゴテしていないのが好ましい。このようなことから、昭和15年頃のものではないだろうか。万之丞は戦前は大物挽きが中心で、こけしの製作はそれほど多くなく、特に自挽のものは少ないと思われる。
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