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第938夜:コウのこけし(戦前)

Kou_senzen_kao

梅雨に入ったかと思ったら、あっと云う間に一ヵ月分の雨が降り、今日は早くも梅雨の中休みのような日差しが降り注ぐ。何とも変化の激しい天候である。こけし界では、1本主要なこけしが手に入ると、それに引き寄せられるように同類のこけしが集まってくると言われるが、国恵志堂でも前回紹介の万之丞が妻君を呼び寄せたようだ。呼び寄せられたのは、酒井利治氏旧蔵で「木這子との邂逅」に掲載されているこけし。胴底には「桜井万之丞」と書き込みがあるが、頭頂部に髷が描かれていることから、妻の「コウ」作(描彩)と思われる。今夜は、そのコウこけしの紹介である。口絵写真は、その表情である。

Kou_senzen_3men_2

写真(2)が本項のこけし。大きさは5寸4分、前述のように酒井氏旧蔵品である。胴上部に太い鉋溝が1本あり、その鉋溝の上部は赤で塗られていたようであるがかなり薄くなってしまっている。肩の山は無彩である。頭は頭頂部が平らな平頭。

Kou_senzen_atama

写真(3)は、コウ作の目安となる頭頂部の髷。

Kou_senzen_hikaku

写真(4)に、万之丞作(左)と並べて見た。大きさにかなりの違いがあるが、古色も同じようについて同様の雰囲気である。並べてみても全く違和感は無く、しっくりしている。木地形態から見て、木地は万之丞で、製作時期もほぼ同じで昭和15年前後ではないだろうか。夫婦のこけしとしては、大きさがもう少し接近している方が望ましいが、それは欲というものであろうか。短い期間に良いこけしが入手できたものである。最近はかなりの数の古品が出ているが、鑑賞と言う点から見れば、このくらいの保存状態は欲しいものである。

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