第949夜:左内のこけし(戦前)
写真(2)は本項のこけしの胴底である。「於芥子園」のラベルが貼ってあり、米浪庄弌氏の旧蔵品であることが分かる。胴底は鋸の切り離しでありロクロの4つ爪跡がある。「玉山」との書き込みもあり、戦前玉山時代の作であろうか。
写真(3)は本項のこけしの全体像で、大きさは5寸8分の作り付けである。作り付けのため、首の部分は一段深く鉋溝を入れている。頭に比べて胴が少し太過ぎる感じがするが、戦前の左内のこけしは小寸ものでは特に胴を太目にしているようだ。胴裾が広がっているのは古い弥治郎こけしの特長でもある。胴には、太い赤と細い緑で描いた襟と裾、胴中央部の赤・紫・緑のロクロ線だけで余分な模様は何もないが、それが却って簡素な美しさを醸し出している。
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コメント
左内の助川時代のこけしはご当地こけしなので、以前ヤフオクでそれらしき物が出たときに入札して購入(全て小寸物です)していたのですが、小寸物ですと玉山・助川双方とも丸鼻が多いと聞いていたので
結局、袖珍こけしと最近購入したえじこ(底に助川と記入してある)以外ははっきり確定できない状態が続いています(以前、ひやねに一本持って行って意見を乞うたのですがどっちの時代の物かまでは確定できないと言われました)。こけしも小寸あたりですと描彩が簡略化されていて時代識別が難しいものが多いのでしょうかね。
投稿: 益子 高 | 2014年7月23日 (水) 20時37分
益子高様
そうでしたか。ご当地こけしでは力が入りますね。確かに小寸物では不明瞭な点も多く、判断は難しいのでしょうね。玉山時代であれ、助川時代であれ、良いものは良いのですが、そこは収集家の欲目で、ついつい詮索したくなります。まあ、そこが楽しみでもあるので仕方ないことですが…。出来るだけ多くの良いものを見て、見る目を鍛えることが大事なんでしょうね。
投稿: 国恵 | 2014年7月23日 (水) 22時21分