第964夜:ヤフオクに保存極美の古作出品さる!
去る16日(火)から18日(木)まで、黒部アルペンルートと上高地の旅に出かけてきたが、その間にヤフオクに正末昭初を中心にした保存極美の古作こけしが60本も出品され、こけし界に一種の衝撃を与えた。こけし手帖627号には「タイムカプセルから飛び出したこけしたち」と題して、数年前、東京のこけし店で販売された正末昭初の保存完璧こけしの記事が載っているが、それに匹敵するレベルのこけしであった。その文中で筆者は『まだまだ、素晴らしいこけしがタイムカプセルに入れられたまま、どこかに眠っているような予感がしてなりません。』と期待の言葉を述べているが、それが再現されたようなものである。ご存知ない方も居られると思うので、以下にその出品写真と落札価を紹介したいと思う。口絵写真は、最高落札価となった盛秀太郎の表情である。
今回出品されたこけしは60本。極一部を除いて、大正末から昭和1桁台のこけしと思われる。正に天江氏の「こけし這子の世界」に出て来るような古作こけしで、保存はほぼ完璧、今作られたばかりのような状態である。
流石に二度と出ないであろうと思われるこけし群で、相当な落札価が予想されたが、まさにその通りであった。最高額の盛秀こけしは200万円を超え、他の盛秀3本も100万円を超えた。その他では50万以上が6本、30万以上が8本、20万以上が9本、10万以上が15本、最低価は戦後の河村清太郎の15,500円であった。落札額の合計は18,863,600円、1本平均が31万円ほど。落札者は全部で15人で、本数の半分、落札額の半分を一人の方が占められた。普通の会社員、年金生活者にはなかなか手が届かない入札であった。
以下、出品番号順に紹介しよう。
(2)25cm(広喜?):106,000円
(3)18.5cm(広喜?):201,000円
(5)24.5cm(文六):303,000円
(6)16.5cm(宮本永吉):756,000円
(8)11cm(宮本永吉):356,000円
(9)22.5cm(平賀謙蔵):319,000円
(11)21.5cm(白畑重治):122,000円
(12)23cm(白畑重治):105,000円
(14)16cm(竹野銀次郎):313,000円
(15)16cm(竹野銀次郎):52,000円
(17)8.5cm(作者不明):17,100円
(18)8.5cm(白畑重治?)52,000円
(20)6cm(権三郎?):102,000円
(21)5.5cm(阿部常吉):52,000円
(23)31.5cm(小椋久四郎):551,000円
(24)(小椋久四郎)668,000円
(26)22cm(小椋泰一郎):232,000円
(27)12.5cm(小椋泰一郎):357,000円
(29)15cm(盛秀太郎):2,202,000円
(30)19.5cm(盛秀太郎):1,802,000円
(32)13.5cm(本田鶴松):83,000円
(33)16.5cm(本田鶴松):122,000円
(35)24.5cm(河村清太郎):15,500円
(36)23.5cm(小林倉吉?):102,100円
(38)13.5cm(伊豆定雄):86,600円
(39)17.5cm(伊豆定雄):79,000円
(41)29.5cm(伊豆定雄):57,000円
(42)37cm(中島正):89,000円
(44)12cm(高野辰次郎):153,000円
(45)12.5cm(佐藤慶治):78,700円
(47)13cm(鎌田文市?):93,000円
(48)15cm(小倉?):70,000円
(50)20.5cm(新山左内):118,000円
(51)20.5cm(佐藤慶治):262,000円
(53)19cm(渡辺求):102,000円
(54)14cm(阿部常吉):122,000円
(56)20.5cm(阿部常吉):73,000円
(57)22cm(阿部常吉):266,000円
(59)20.5cm(木村吉太郎):251,000円
(60)18.5cm(佐藤勘内):654,000円
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コメント
今回のヤフオク、本当に喉から手が出るほど欲しいと思いました。それにしても、盛秀のこけし、モノがモノだから仕方がないとは言え、200万以上の落札値が付くとは・・。本当にお金があるところにはあるのですね(笑)羨ましい限りです。ところで、出品物の中に宮本栄吉作というこけしが2本ありますが、やはり栄吉作なのでしょうか?。僕も栄吉のこけしを全て知っているわけではないので何とも言えませんが、父親の惣七の作かなとも思っていたものですから。栄吉のこけしはもっと目がぱっちりとした丸い感じの様な気がしたものですから(自分が所有しているえじこもそうですが)。浅学のゆえ見識が無いのかもしれませんが・・、本当のところどうなのでしょかねぇ・・。
投稿: 益子 高 | 2014年9月21日 (日) 16時15分
これは、個人の所蔵品が古物商からオークションに出されたものですか? 保存状態をみるとそのあたりがよくわかりませんが。
投稿: | 2014年9月21日 (日) 21時25分
益子高 様
全くお金持ちには適わないということですね(苦笑)。
宮本永吉かというこけし、惣七ではという声もありますね。
惣七のこけしは少なく、それと比較してでの話ですから、今回のように新しい発見があると判断は難しいですね。今までの定説では惣七は鼻が二筆で先が繋がっていない。その点から見れば今回の2本は惣七ではない、すなわち永吉ということになるのでしょうか。惣七の晩年、永吉の初期かも知れません。永吉であっても惣七に匹敵する秀作であることには間違いないでしょうね。
投稿: 国恵 | 2014年9月22日 (月) 20時54分
-様
出品者は古物商のようなので、古い収集家の家族からの依頼品か買い取ったものでしょうか。ここまで高額になるとは思っていなかったでしょうね。
投稿: 国恵 | 2014年9月22日 (月) 21時12分
僕は目の書き方ばかりを見て、鑑定のポイントの一つである鼻の書き方のほうは考えが及びませんでした。ありがとうございます、勉強になりました。
投稿: 益子 高 | 2014年9月22日 (月) 22時41分
益子高様
目だけ見れば惣七、鼻を見れば永吉、惣七から永吉への過渡期のこけしなんでしょうね。誰のこけしか色々と調べてみるのも楽しいものです。
投稿: 国恵 | 2014年9月23日 (火) 09時33分
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