« 第965夜:善松?or幸助?(その後) | トップページ | 第967夜:友の会9月例会(H26) »

第966夜:日本こけし館の入札品

Syoei_syoki_s43_kao

最近のオークションと言えば、ヤフオクに出た60本の極美古作の逸品に尽きるが、日本こけし館で開催された中古品オークションの落札こけしが送られてきたので紹介しよう。日本こけし館でのオークションは全国こけし祭りのイベントの1つとして開催されていたものである。友の会旅行の2日目午後は日本こけし館での柴田長吉郎コレクションの鑑賞となっており、その折にこのオークションを知った。こけし館の1階の1室に並べられた中古こけしは2000本はあったであろうか。時間も余り無く、遊びのつもりで8本に入札して来た。その内の3本が落札でき送られて来た。口絵写真は落札こけしの1本、阿部勝英こけしの表情である。

1409ryoko_nyusatu_get

写真(2)が落札できた3本のこけしである。左から、大沼誓6寸(1700円)、菅原敏8寸2分(3770円)、阿部勝英5寸(2100円)。200万を超える落札価から見ると、何とも安く感じるが、このあたりが一般の愛好家にとっても気軽に参加できる価格帯なのではないだろうか。誓は色は殆ど飛んでいるが表情が良く、敏は表情鋭い庄七の古型で保存極美、また勝英は極初期の作ということで応札した。

Syoei_syoki_s43

写真(3)で勝英のこけしを今一度見てみよう。会場でこのこけしを見た時、「こけし辞典」の勝英の項で見たような気がした。帰宅して確認すると、辞典掲載こけしは勝英の息子の敏英作とあったが、逆おむすび形の頭と直線的な三角胴、胴のロクロ線模様などは全く同じである。敏英のこけしは稀品であるので、本こけしの胴底の署名を再確認したが「土湯 治助型 勝英」とある。また、「43.7 白石」の書き込みと全日本こけしコンクールのラベルが貼ってあったので、白石のコンクールに即売品として出したものと思われる。辞典の敏英こけしも43年作とあるから、勝英、敏英が同型のこけしを作っていたことが分かる。

Ssatoshi_shikama_hikaku

写真(4)に敏のこけし並べて見た。右が今回のこけしで、左は以前から手元にあったもの。いずれも復元品で「原」は鹿間時夫氏旧蔵の昭和初期の庄七こけしであろう。上下の緑のロクロ線に紫のロクロ線が挟まっているのが特徴である。この型は昭和41年に作ったのが最初とされているが、その後もしばしば作られているようだ。本項のこけし(右)は胴底に「44.5.9 本人」との書き込みがある。

Ssatoshi_shikama_ura_hikak

Ssatoshi_shikama_atama_hik

写真(5)(6)に胴裏と頭頂部を示す。右のこけしでは、胴裏にアヤメ模様が描かれているが、左のこけしには描かれていない。また、右のこけしには頭頂部に「乙」の文字は書かれていないが、左のこけしには書かれている。そこで、鹿間著「こけし鑑賞」の庄七こけしの項を見ると、『頭頂には乙字は描かれないが、胴裏には一杯紫のあやめが描かれている』とある。右のこけしでは「原」に忠実であるが、左のこけしでは自分の型に近くなっているのが分かり興味深い。

|

« 第965夜:善松?or幸助?(その後) | トップページ | 第967夜:友の会9月例会(H26) »

写し」カテゴリの記事

鳴子系」カテゴリの記事

遠刈田系」カテゴリの記事

土湯系」カテゴリの記事

オークション」カテゴリの記事

コメント

こんにちは、及川です 今年の新作「BR03-92ダイバー ブラック マット」にも、その精神が受け継がれています。
を展開しており、シーズンごとに新作モデルを発表している。
高額買取となるためには、まず時計が正常に動作している事が大切である。
常に機能美、そして視認性にこだわるからこそできたのではないでしょうか。
高機能な防水性を持つ"マリーンBR02"をびっくりの高価買取致しております。
また、東京や福岡といった激戦区にある買取店も、高価買取を目指すうえでは良い選択肢となります。
ルラグジュアリー」を掲げ、ライフスタイル型のブランドとして方向を目指す。
それに加え、レザーにウォッシュ加工などを加えて、柔らかさ、ヴィンテージ感、独特な風合い、色合いを出す。
ヘッドは古き良き時代のアメリカのモノ作りを理想として、それをいまと融合させていることが特徴。
大学入学のためのパリの予備学校で過ごした3ヵ月の間に、カルロス・ロシロ氏と知り合い、意気投合。
PIAGET(ピアジェ)は極薄のムーブメント製造で一気に名を世界に知らしめました。
2018年現在の出店数は、メンズを取り扱う『ジャックロード』とレディースを取り扱う『ベティロード』の2店。
二人は、50年代から80年代のヴィンテージフレームにインスパイアされた、スタイリッシュなアイウェアを作ることを思いつく。
玉木竜二郎(Ryujiro Tamaki)。
本格的なヴィンテージデニム作りを目指しオリジナルデニムの生産を開始する。
1976年熊本生まれ。
古き良き時代のヴィンテージジーンズを理想として、1940年代から50年代の本物の良さを目指しジーンズ作りをする。
主に60年代、70年代のサブカルチャーなどアンティーク、ヴィンテージコレクションからインスピレーションを受けている。
主な銘柄にはティーリング(TEELING)、ミドルトン(MIDLETON)、レッドブレスト(REDBREAST)、カネマラ(ConnemaRa)、ヘネシー・ナジェーナ(HENNESSY NA-GEANNA)、ジェムソン(JAMESON)などがあります。

ブランドコピー https://www.yutooz.com/protype/list-196.html

投稿: ブランドコピー | 2020年8月11日 (火) 03時41分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 第965夜:善松?or幸助?(その後) | トップページ | 第967夜:友の会9月例会(H26) »