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第966夜:日本こけし館の入札品

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最近のオークションと言えば、ヤフオクに出た60本の極美古作の逸品に尽きるが、日本こけし館で開催された中古品オークションの落札こけしが送られてきたので紹介しよう。日本こけし館でのオークションは全国こけし祭りのイベントの1つとして開催されていたものである。友の会旅行の2日目午後は日本こけし館での柴田長吉郎コレクションの鑑賞となっており、その折にこのオークションを知った。こけし館の1階の1室に並べられた中古こけしは2000本はあったであろうか。時間も余り無く、遊びのつもりで8本に入札して来た。その内の3本が落札でき送られて来た。口絵写真は落札こけしの1本、阿部勝英こけしの表情である。

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写真(2)が落札できた3本のこけしである。左から、大沼誓6寸(1700円)、菅原敏8寸2分(3770円)、阿部勝英5寸(2100円)。200万を超える落札価から見ると、何とも安く感じるが、このあたりが一般の愛好家にとっても気軽に参加できる価格帯なのではないだろうか。誓は色は殆ど飛んでいるが表情が良く、敏は表情鋭い庄七の古型で保存極美、また勝英は極初期の作ということで応札した。

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写真(3)で勝英のこけしを今一度見てみよう。会場でこのこけしを見た時、「こけし辞典」の勝英の項で見たような気がした。帰宅して確認すると、辞典掲載こけしは勝英の息子の敏英作とあったが、逆おむすび形の頭と直線的な三角胴、胴のロクロ線模様などは全く同じである。敏英のこけしは稀品であるので、本こけしの胴底の署名を再確認したが「土湯 治助型 勝英」とある。また、「43.7 白石」の書き込みと全日本こけしコンクールのラベルが貼ってあったので、白石のコンクールに即売品として出したものと思われる。辞典の敏英こけしも43年作とあるから、勝英、敏英が同型のこけしを作っていたことが分かる。

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写真(4)に敏のこけし並べて見た。右が今回のこけしで、左は以前から手元にあったもの。いずれも復元品で「原」は鹿間時夫氏旧蔵の昭和初期の庄七こけしであろう。上下の緑のロクロ線に紫のロクロ線が挟まっているのが特徴である。この型は昭和41年に作ったのが最初とされているが、その後もしばしば作られているようだ。本項のこけし(右)は胴底に「44.5.9 本人」との書き込みがある。

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写真(5)(6)に胴裏と頭頂部を示す。右のこけしでは、胴裏にアヤメ模様が描かれているが、左のこけしには描かれていない。また、右のこけしには頭頂部に「乙」の文字は書かれていないが、左のこけしには書かれている。そこで、鹿間著「こけし鑑賞」の庄七こけしの項を見ると、『頭頂には乙字は描かれないが、胴裏には一杯紫のあやめが描かれている』とある。右のこけしでは「原」に忠実であるが、左のこけしでは自分の型に近くなっているのが分かり興味深い。

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