2014年10月
第971夜:待望の乗り太郎!
佐藤乗太郎のこけし(古品)は鳴子系の中でも根強い人気があり、なかなか入手する機会がなかった。鳴子通を自認する国恵志堂にあって、乗太郎のこけしはぜひとも揃えたいこけしの筆頭でもあった。そんな中、先の極美古作の第2回目の出品作の中に乗太郎のこけしがあった。他の一連の出品作から、この乗太郎がかなり古いものであり、その保存状態も極美とはいかないまでも充分満足のいくものであった。入札品としてはかなり高価なものにはなったが、300万を超えた運七を筆頭に、浅之助、盛秀、中島正など100万を超えたこけしから見れば、相応の価格で手に入れることが出来たと言えるだろう。今夜はこの乗太郎こけしをじっくり見てみたいと思う。口絵写真は、その乗太郎の表情である。
第970夜:定番のこけし(秋山一雄)
ここ一か月ほどヤフオクでは極美古作の話題で沸騰していたが、それも一段落したようだ。現在のヤフオクは完全に二極化しており、1本で数百万もする古品が出る一方で10本で百円などというバーゲンセール並みの出品もある。昭和40~50年代の第二次こけしブームの頃に盛んに集めていた収集家が高齢、または亡くなって大量のこけしが市場に出て来るケースは今後も増えるであろう。それらは殆どが戦後のものと思われるが、よく見ていると戦後でもなかなかの優品も含まれている。そういったものを程々の価格で入手するのも楽しいものである。こけし界には、英太郎19歳、伝喜33年、弘道33、34年、文吉36年など定番と言われるこけしがあり、秋山一雄39年もそれに類するものの一つと言って良いであろう。先日、この39年作をヤフオクでようやく入手することが出来たので紹介したい。口絵写真はその表情である。
第969夜:ヤフオクの極美古作(第2弾)
第964夜で紹介した正末昭初を中心とした極美古作の第2弾がヤフオクに出品され、10/3に終了したので、その記録として紹介しておこう。前回の出品で、その時期の古さ、保存状態の良さから、こけし界に衝撃を与えたが、今回もそれにも増して素晴らしい逸品が揃っていた。今回も盛秀が2本出た他、運七、浅之助、胞吉、善吉など、垂涎のこけしが含まれていた。落札最高額の運七は遂に300万円を超えるに至った。今回の出品数は53本、落札総額は2,140万円弱、1本当たりの単価は40万円を超えた。2回目なので、前回よりも多少安くなるかと思っていたが、噂を聞いて新規に参加したと思われる蒐集家も見られ、前回を上回る結果となった。口絵写真は、極初期の作と思われる中島正の表情である。
第968夜:みちのくこけしまつり(H26)
昨4日(土)より、山形市のナナビーンズで第34回みちのくこけしまつりが開催されており、3日より出かけて来たので、その報告である。コンクールの審査は3日の午後1時30分から開催された。昨年より審査が公開になったとのことで、会場での審査状況を10名前後の方々がロープが張られた傍らで見守っておられた。3日夕刻には、「伝統こけしの部」として、内閣総理大臣賞以下20点、「木地玩具の部」として、経済産業大臣賞以下6点が決定した。なお、本年から文部大臣賞が無くなってしまったとのことで復活を期待したい。最高賞の内閣総理大臣賞は土湯系の荒川洋一さんが受賞。口絵写真はその受賞作の表情である。なお、受賞者リストと受賞こけしの写真は、東京こけし友の会のHPを参照願いたい。
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