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2014年12月

第986夜:伊東東雄と栄治郎型こけし

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今年も余すところ1日となった。年初には今年中に1001夜達成と考えていたが、途中でスローダウンしたこともあり、14夜を残して年を越すことになってしまった。楽しみは取っておこうということか…。さて、今夜のこけしは今年最後に入手した伊東東雄のこけしである。鳴子の「高亀」で修業したのに、その作るこけしは蔵王系の栄治郎型という異色の工人である。口絵写真は、そのこけしの表情である。

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第985夜:昭二の岩蔵型(S36年)

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戦後の鳴子こけしを支えた名工のひとり桜井昭二さんは、種々の型のこけしを作っているが、本命は伯父であり師匠である大沼岩蔵のこけしなのであろう。国恵は昭二さんのこけしでは庄司永吉型に力を入れてきたが、岩蔵型はそれほど集中的には集めて来なかった。そんな中で、昭和36年作の岩蔵型はやはり後世に残る秀作だと思う。今夜は、そんなこけしを紹介したい。口絵写真は、昭和36年作岩蔵型の表情である。

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第984夜:初期作の味わい(勝英)

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こけし蒐集の楽しみは色々あるが、工人の初作(初期作)に力を入れて集めている人も居る。書籍蒐集でも初版本を集める例はあるが、こけしの場合はその表情の面白さに惹かれることが多い。決して上手いこけしではないが、真剣に取り組んでいる気持ち、その新鮮さが表情にあらわれて、稚拙でも味わい深いものとなっている。そして思わぬ傑作(?)に出会う事もあるのである。この初期の表情は工人によって違いはあるが、そう長くは続かない。やがて上手くなってしまうからである。そうなると、初期作の独特の味わいは薄れてしまう。中古市場を小まめに眺めていて、そういうものに出会えたら、そのチャンスを逃さないように気を付けているのが肝要である。今夜は、先日見つけた阿部勝英の初期作である。口絵写真はその表情である。

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第983夜:42年の弘道こけし

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先日の友の会12月例会には、入札品に斎藤弘道のこけしが3本出ていた。弘道として評価の高い34年とそれより少し後、それに42年作である。弘道好きの国恵の気持ちが動くのは仕方のないこと。結果的に42年の1本を手にすることが出来た。弘道のこけし(特に本型)では胴の色彩の保存状態が良いことが決め手でもある。弘道の42年近辺のこけしについては、第621夜で述べているが、今回の1本はそれらとはやや雰囲気が異なるので、改めて検討したい思う。口絵写真は、その42年弘道の表情である。

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第982夜:TV収録余話

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BS朝日の「アーツ&クラフツ商会#6」でこけしが取り上げられることになり、友の会の11月例会で予備調査、12月例会で正式な取材があった。また番組内の系統説明のコーナーに出演の依頼があり、小生に白羽の矢があたり、今夜、その収録に行ってきた。事前の打ち合わせで、解説する系統を4つ(津軽、鳴子、遠刈田、土湯)に絞ったので、それぞれのテーマに沿ったストーリーを考え、それをソラで話せるように何十回も練習して臨んだのだが、結果は燦燦たるものであった。口絵写真は、番組に登場する高橋正吾さんのこけしの表情。

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第981夜:友の会12月例会(H26年)

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今日は東京こけし友の会の12月例会があったので、その報告である。寒波と総選挙の中、81名の出席があった。今月もBS朝日の取材が行われた。お土産こけしは土湯系の芹澤洋治(師匠は篠木利夫)工人。例会ギャラリーは、佐久間常雄のこけし。手書きのイラストを入れた分かり易い解説が好評だった。今月は新品こけしの頒布は無し。入札・抽選、こけし界ニュースを挟んで、第2部は高円寺フェス2014、鳴子こけしまつり(横浜人形の家展)の報告がスライドを用いて行われた。最後に、こけしカレンダーと小椋英二工人寄贈のこけしをジャンケン大会で頒布してお開きとなった。口絵写真は、芹澤工人のおみやげこけし。

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第980夜:小倉篤のこけし

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弥治郎の小倉嘉三郎の息子であり、その後継者でもあった小倉篤は父や大野栄治があまりにも偉大過ぎたせいか、あまり触れられない工人である。文献等を見ても、纏まって取り上げられているのを見た事が無い。そういう国恵自身も篤のこけしは片手で足りるほどしか持っていなかったのだから何をか言わんやである。しかし、戦前は別して戦後昭和30年代の前半頃のこけしには惹かれるものがあり、その手のものを長いこと探していた。今回、それに類するこけしが相前後して2本も手に入ったので紹介する次第である。口絵写真はその篤こけしの表情である。

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第979夜:謙作と淳一

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津軽の「眠りこけし」と言われる川越謙作のこけしを入手した。今まで謙作の優品に出会ったことが無く、また強烈な印象を与えるこけしでも無かったため入手する機会がなかった。とは言え謙作こけしに興味が無かった訳ではなく、笹森淳一や今晃の謙作型は入手していた。今回の謙作こけしは古色が大分着き、緑色も殆ど飛んでおり、保存状態は良くなかったが、手持ちの淳一作と型、大きさが瓜二つだったので比較のために入手したものである。口絵写真は、その謙作こけしの表情である。

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第978夜:柴崎丑次郎のこけし

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鳴子系の工人に柴崎丑次郎という工人が居て、そのこけしが時々ヤフオクなどの中古市場に出て来るのは知っていたが、今迄あまり興味が湧かず、そのこけしも所蔵していなかった。先日、ヤフオクにその丑次郎のこけしが出ており、高勘こけしを思わせる大輪の正面菊を描いた胴模様に惹かれて入手した。今夜は、その柴崎丑次郎のこけしを紹介しよう。口絵写真は顔のアップである。

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第977夜:荒井金七の小寸こけし

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今年も師走に入った。本ブログも千夜一夜到達を目前にして足踏みしてしまい、本年中の達成は難しくなった。まあ、そういうことはあまり意識しないで進めていこう。11月はこけしのイベント紹介だけで終わってしまい、久しぶりのこけしの紹介である。今夜紹介するのは先日ヤフオクで入手した荒井金七の小寸こけしである。昭和8年の木形子洞(橘)頒布品という素性の良さに加えて全く退色していない保存の良さ、しかも抜群の出来の良さという三拍子揃ったこけしなのに、締め切り間際まで誰の入札も無かったのは、3寸強の小寸もので福沢6枚という最低価のせいだったのであろうか。熟慮の末、当国恵志堂に来て頂くこととなった。口絵写真は、その顔のアップである。

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