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第991夜:今年最初の落穂ひろい(平賀貞蔵)

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年が明けて3週間目に入り、正月休みで静かだったネットオークションのヤフオクも活況を帯びてきた。そんな中、ヤフオクで今年最初の1本を入手した。平賀貞蔵のこけしである。貞蔵のこけしも第二次こけしブームの頃には、老工のこけしとして人気があり、なかなか入手難であった。戦前の貞蔵のこけしは張りのある鋭い表情のものであったが、戦後はおとなしい表情のものとなり、また忙しさのせいか頭頂部の赤い飾りを弥治郎系のようなロクロ模様にしたりして、今一つ魅力に欠けるものであった。そのため国恵志堂コレクションにも1本もなかった。今回入手した貞蔵こけしは、戦前の復元作。一般の観光客向けのこけしとは区別して作ったのであろうか、木地形態、描彩とも水準を越えたものであり、貞蔵こけしとしてコレクションに加えるに躊躇しない出来栄えである。このこけしが600円で出品され、他に誰も入札者がおらず、そのまま落札できてしまった。安価に入手できたのは嬉しいものの、第三次こけしブームと言われる昨今、この貞蔵こけしが注目されない現状は寂しいことでもある。口絵写真は、その貞蔵こけしの表情である。

Teizo_s43_kogata_3men

今回の貞蔵こけしを3方から見たところである。大きさは8寸。胴底の署名から昭和43年6月の作であることが分かる。保存状態は、目の所に木地の古色がやや付いてきた程度で退色も殆どなく美品と言えるだろう。ピンクっぽい赤と黄緑のような明るい緑色がメルヘンチックな雰囲気を醸し出している。頭頂部が大きく頬が窄まった大き目の頭、肩には段があり、中程から細くなった胴は裾の部分で膨らみ、そのまま胴下部の裾台に繋がっている。戦前の木地形態をほぼ忠実に再現している。面描も戦前の表情を良く表しているが、流石に筆の勢いはおとなしくなっている。胴の蟹菊も小さくおとなしくなっているのが惜しまれる。

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胴底の台中央には釘の頭が見えるので、胴と台を釘で繋いでいるのが分かる。

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