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第999夜:極美古品(伊豆定雄)

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華やかな桜の季節もあっという間に終わり、いよいよ春爛漫と思いきや、夏を思わせる高温の日が続き、今日は一転、冬に戻ったかのような寒い雨降りである。さて、今夜は昨年ヤフオクで入手した極美古品の最終回、伊豆定雄のこけしである。定雄のこけしに関しては、第885夜で橘コレクションの現品を紹介したが、保存状態の悪さから判然としない部分もあった。今回の極美品により、その点がはっきりしたので改めて紹介したいと思う。口絵写真は、その極美定雄の表情である。

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今回の伊豆定雄のこけしである。大きさは5寸8分。木地は真っ白ではないが、彩色は作られた当時の鮮明な状態を保っている。橘コレクションの定雄では全く消えてしまっていた前面の緑色も鮮やかである。

Sadao_izu_gokubi_hikaku

橘コレクションの定雄(右)と並べて見た。胴の反りは橘コレクションの方が大きいが描彩などは良く似ている。昭和1桁代の作と思われる。頭がやや縦長のせいか、橘コレクションの方が年長の表情に見え、あたかも姉妹のように感じられる。胴模様の重ね菊の緑の花芯が鮮やかであり、また胴上部に1本、胴下部に3本引かれた緑のロクロ線が全体を引き締めている。後年作に見られるような緑の蔓葉は無いが、簡素ながら完成された模様であることが分かる。

Sadao_izu_gokubi_uekara_2

こちらは、上記2本のこけしを斜め上から撮ったところ。 右の橘コレクションの定雄では明確ではなかった頭頂部の緑の中剃りと胴上面の緑の彩色がはっきりと確認出来る。

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