橘コレクション

第965夜:善松?or幸助?(その後)

Zenmatu_s12_kao

ヤフオクに出品された極美古作の話題が沸騰しているようで、今後が注目される。さて、第955夜で善松又は幸助かと思われるこけしの紹介をしたが、その後分かったことについてお話しよう。それは、その後同じ橘コレクションの善松こけしが出てきたことによる。このこけしは橘氏が前回の善松こけしと一緒に入手したものと思われるが、その様式は「高勘」系のものとは異なるものである。このことから、前回のこけしも子野日幸助ではなく、善松のこけしである可能性が高くなってきたのである。口絵写真はその善松こけしの表情である。

続きを読む "第965夜:善松?or幸助?(その後)"

| | コメント (0)

第957夜:北岡のこけしたち(2)

Aeiji_syosyo_kao

今夜も橘コレクションのこけしである。橘コレクションのこけしには胴底に「KOGESHIDO」のラベルの貼ってあるものと貼っていないものがあり、ラベルのあるものでも日付の入っている

ものと無いものがある。また戦後20年代のものには毛筆で日付を書き込んであるものもある。橘氏は戦前と戦後、数回東北にこけし収集の旅に出かけており、それと関係しているのかも知れない。さて、今回のこけしは、今では佐藤(朝倉)英次のこけしと判明しているものであるが、ラベルには「佐藤秀一」と書かれている。これも北岡商店のこけしと思われ、当時は正吉、英次の他、佐藤秀一も間違えられていたのであろう。口絵写真は、英次こけしの表情である。

続きを読む "第957夜:北岡のこけしたち(2)"

| | コメント (0)

第956夜:北岡のこけしたち

Syokiti_syosyo_kao

戦前の遠刈田木地業は、北岡、小室の両商店が中心となって工人を囲い込み、彼らにより作られた各種の木地製品を集めて販売していた。北岡商店は北岡仙吉により始められ、佐藤寅治・直助・治平・豊治など主として周治郎系列の工人が属していた。中でも、こけし等の小物類は若手であった佐藤正吉や英次が作り、佐藤秀一や広喜も遅れて加わったとのことである。これらのこけしは北岡仙吉名義で販売され、同じような様式のものであったため、真の製作者である正吉、英次等のこけしも混同して広まっていった。今夜のこけしは橘コレクションのものであるが、英次かとされていたものである。口絵写真はその表情である。

続きを読む "第956夜:北岡のこけしたち"

| | コメント (2)

第955夜:善松?or幸助?

Nenohi_senzen_kao

ヤフオクの橘コレクションに、後藤善松と書かれたラベルが貼られたこけしが出品されていた。しかしながら、善松と言われてイメージするこけしとはかなり異なっている。ラベルに書かれた日付は「1937.5」とあり、昭和12年頃か。「こけし辞典」によれば善松は、昭和7年から岡崎斎の弟子となり6年間木地修業したとある。もしかすると善松の極初期の作ではと思い、入手した。ところがである。このこけし、思わぬ所で別人の可能性が強くなった。それは誰か? そしてラベルの謎は? 今夜はそんな話をしてみたいと思う。口絵写真は善松かとされるこけしの表情である。

続きを読む "第955夜:善松?or幸助?"

| | コメント (0)

第943夜:昭二と力のデカ目こけし

Tikara_dekame_kao

ヤフオクに出品されている橘コレクションのこけしは昭和初期の古いものも多く人気を呼んでいるが、一方で戦後直ぐの珍しいこけしも含まれている。戦後20年代(特に前半)のこけしはあまり目にすることが無く、こけしの空白地帯でもあるが収集家の関心もあまりないようで、文献などでの記事も殆ど見かけない。そんな中、今夜は鳴子のデカ目こけしに焦点を当ててみよう。口絵写真は大沼力さんのデカ目こけしの表情である。

続きを読む "第943夜:昭二と力のデカ目こけし"

| | コメント (0)

第941夜:橘コレクションのこけし(小関幸雄)

Koseki_s14_kao

相変わらず橘コレクションの出品が続いているが、やはり良いものにはそれなりの値が付き、年金生活の身ではそうそう入手することも厳しい状態になっている。それでも蒐集欲には勝てず、何とか細々と続けている。今夜はそんな中で入手した小関幸雄のこけしである。剥がれてしまったのか、胴底にシールは貼られていないが、大きさ、木地形態、描彩からして、「こけしと作者」の83図(198頁)に掲載されているものと思われる。例によって相当に黒く汚れていたが、消しゴム作戦の助けで、それなりに観賞できるこけしとなった。口絵写真は、その表情である。

続きを読む "第941夜:橘コレクションのこけし(小関幸雄)"

| | コメント (0)

第932夜:勝之助のこけし(伊勢・熊野詣で1日目)

Katunosuke_s0_kao1

今週の月曜日(12日)より昨日まで、二泊三日で伊勢・熊野詣でに行ってきた。東日本はこけしの旅で毎年数回は旅をしているが、西日本となるとなかなかそういう機会もなく、久しぶりの旅行であった。伊勢神宮、熊野大社、高野山・奥の院をメインに瀞峡、那智の滝、谷瀬の吊り橋など紀伊半島の秘境にも寄ってきた。ホテル浦島の洞窟風呂も圧巻であった。

さて、今夜は先日の橘コレクションで入手した勝之助のこけしである。口絵写真はその表情。

続きを読む "第932夜:勝之助のこけし(伊勢・熊野詣で1日目)"

| | コメント (0)

第927夜:橘コレクションのこけし(佐藤末吉)

Suekiti_syoki_kao

今日は終日雨模様の寒い一日であった。さて、今夜も橘コレクションのこけしである。「こけしと作者」の第二図(9頁)のこけし群像の中に掲載されているものの現品である。胴底のラベルには「花巻より」と書かれており、全体的な感じは鳴子系であることから、佐藤末吉のこけしが連想された。とは言え、戦前の末吉こけしと比べても、描彩はかなり異なり、古い作であろうと思われる。入手時は相当黒くなっており、恒例の消しゴム作戦で汚れを取ったので、描彩がかなりはっきり分かるようになった。口絵写真は、その表情である。

続きを読む "第927夜:橘コレクションのこけし(佐藤末吉)"

| | コメント (0)

第924夜:橘小物(鈴木安太郎)

Yasutaro_s14mame

暫く前から、本ブログのアクセス・カウンタが表示されなくなり、アクセス数が分からなくなっていたが、ようやく回復して表示されるようになった。さて、先日のヤフオクには小物が多数出品されており数本を入手したが、今夜は鈴木安太郎のこけしである。安太郎は戦前より、豆こけしか大寸物まで色々な大きさのこけしを作っており、大きさによる雰囲気の違いも楽しめる。口絵写真はそのこけしである。

続きを読む "第924夜:橘小物(鈴木安太郎)"

| | コメント (0)

第923夜:橘小物(大沼竹雄)

Takeoo_s15_kao

昨2日は花見に出かけてきた。午後から天気が下り坂との予報があり、満開の見納めかと思ったからである。新橋から愛宕神社の急坂を登って鯉が群れる池に散る桜吹雪を眺め、新宿御苑では満開のソメイヨシノや枝垂桜を満喫し、椿山荘下の神田川沿いの桜並木を散策して、最後は椿山荘でのお花見ブッフェに舌鼓を打った。幸い雨に降られることも無くお花見の1日を満喫することが出来た。これも自由人ならではの特権であろう。帰宅すると、橘コレクションの小物が届いていたので、今日はその中から大沼竹雄の紹介である。口絵写真は、その表情。

続きを読む "第923夜:橘小物(大沼竹雄)"

| | コメント (0)