弥治郎系

<番外>友の会例会(H27年5月)

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千夜一夜の続編の準備が整わない内に、東京こけし友の会の5月例会があり、止む無く<番外>としてその報告をすることにした。事前の天気予報に反して好天となり、83名の出席があった。もはや、出席者の半数以上が若い方々となり、記憶力が衰えて来たわが身ではなかなか出席者の顔と名前が一致しない(苦笑)。ただ、若い方々は入れ替わりも多いようで、そこがちょっと心配でもある。今月のおみやげこけしは、弥治郎系の新人工人・吉野稔弘さん。新品頒布は6工人。例会ギャラリーは田中幹事十八番の自作の収納箱に入った小寸こけしで、今回は土湯の湊屋系列のこけしであった。入札、抽選、こけし界ニュースの後、第二部では土湯こけし祭りや都内のデパートで開かれた佐藤正廣、康広両工人の展示・即売会の報告があった。口絵写真は稔弘工人のおみやげこけし(今三郎型)。

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<番外>こけし談話会

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昨10日は、東京こけし友の会の「こけし談話会」があった。「千夜一夜Ⅱ」が未だ始まっていないため<番外>として報告する。開始間際まで参加者が集まらず心配していたが、開始後に続々と増えて、21名を数える盛況となった。今回のテーマは弥治郎系の佐藤伝内の息子達(伝・伝喜・伝伍)のこけしである。伝内か?と思われる古作や伝喜の最古作なども集まって、ハイレベルの鑑賞・勉強会となった。この談話会は、普通ではとても見られない作品がテーマ別に多数集り、鑑賞眼を高めるには最適の機会なので、多くの方々の参加をお奨めする。口絵写真は、戦前の伝喜こけしの表情。

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第1000夜:ステッキこけし(小関幸雄)

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いよいよ1000夜を迎えた。とうとうここまで来たかという思いである。1000夜が近くなってからは更新が極端に遅くなってしまい牛歩のような歩みであった。ここまで来ればもう急ぐ必要はないということと、その後の計画なども考えていた。もっとも、完結の最終回は1001夜なので、今日はその前夜ということになる。という訳で今夜は特別という訳でもなく、いつも通り筆を進めて行きたい。さて、今夜紹介のこけしは小関幸雄のステッキこけしである。先日、ヤフオクで入手したものである。口絵写真はそのこけしの表情である。

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第998夜:佐藤慶治のこけし(H27花見)

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昨31日、絶好の好天に恵まれた中、お花見に出かけて来た。花見の名所、千鳥ヶ淵の最寄駅の地下鉄九段下駅は、平日にもかかわらず改札から地上に出るまでに既に行列が出来ていた。東京の標本木がある靖国神社の露店で喉と腹を満たし、夕刻からは神田川沿いの椿山荘で遊んできた。さて、今夜のこけしは、極美古作の佐藤慶治。昨夜の鶴松同様、その保存の良さは素晴らしい。口絵写真はその表情。

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第997夜:鶴松のこけし

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2月に体調を崩してから、本ブログも停滞状態が続いており、そうこうしている内に今月26日に高齢者になってしまった。同日、早速シニア割引で入場券を買ってしまった(苦笑)。さて、ブログの完結も間近となり、掲載すべきこけしを検討していたら、大事なこけしが未だ載っていないのに気が付いた。昨年9月から10月にヤフオクを賑わしたあの極美古品である。資金競争に敗れ、入手出来たのは4本のみであったが、内3本は紹介していなかった。今夜はその中から、本田鶴松のこけしを紹介しようと思う。鶴松のこけしは今まで入手する機会がなく、本品が初めてである。口絵写真は、その鶴松こけしの表情である。

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第980夜:小倉篤のこけし

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弥治郎の小倉嘉三郎の息子であり、その後継者でもあった小倉篤は父や大野栄治があまりにも偉大過ぎたせいか、あまり触れられない工人である。文献等を見ても、纏まって取り上げられているのを見た事が無い。そういう国恵自身も篤のこけしは片手で足りるほどしか持っていなかったのだから何をか言わんやである。しかし、戦前は別して戦後昭和30年代の前半頃のこけしには惹かれるものがあり、その手のものを長いこと探していた。今回、それに類するこけしが相前後して2本も手に入ったので紹介する次第である。口絵写真はその篤こけしの表情である。

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第975夜:友の会11月例会(H26年)

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昨23日(日)は東京こけし友の会の11月例会があったので、その報告である。小春日和の好天で、しかも今年最後の三連休の中日にも拘わらず、マスコミ2社の取材を含め、83名の出席者があった。おみやげこけしは弥治郎系の佐藤英之工人のこけし3種。例会ギャラリーは会員有志による佐久間俊雄のこけし。新品こけしは、阿部国敏、長谷川正司、柴田良二、佐藤良子のえじこ、鳴子小寸こけし。中古品、入札、抽選を経て、第2部はスライドにて、とげぬき地蔵尊高岩寺での鳴子系こけしの製作・実演、「ひやね」で開催中の山河之響の会の催事の模様が報告された。今回も最後に小椋英二工人寄贈のこけしをジャンケンで頒布してお開きとなった。なお、終会後、新しい会員との座談会が行われた。口絵写真は、英之工人のおみやげこけし。

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第953夜:まがいもの・・・

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今日は人間ドックを受診したきた。在職中は会社で毎年健康診断が行われるが、退職すると後は自己管理となるので人間ドックの受診はその対応でもある。前回の受診から1年以上経ち、また気になる症状もあったことから申し込んだのだが、胃の内視鏡検査受診者が多く、一ヵ月以上も待たされてこの時期になってしまったものである。殆どの検査は1時間以内で終わり、流石に胃内視鏡は時間がかかったが、それでも午前中には全ての検査が終了し、12時からの医師による結果説明を聞いて帰ってきた。幸いなことに現在治療中のもの以外には問題となるような所見は無かったようだ。これで安心してブログの更新にも打ち込める。

さて、タイトルの「まがいもの」であるが、辞書を引くと「本物と見分けがつかないほど、よく似せてつくってある物。にせもの。模造品。イミテーション。」とある。現在こけし界で一般的に使われている「写し、復元」とは異なるものである。最近、ヤフオクに盛秀太郎のこけしと極似したこけしが出品されている。署名のないものも多いが、中には工人名の記載された
ものも見受けられる。盛秀こけしの人気は凄まじく、第二次こけしブームの頃には入手困難、そんなことから収集家の要望でその「まがいもの」が作られたのであろう。そういう類のものは一般には流布せず、一部の好事家の間で秘匿されてきたのであろうが、それらが処分品としてネット上に出て来たのであろう。小椋久太郎も盛秀型を作っているが、盛秀こけしと瓜二つではなく、一目で久太郎作と分かるものである。それでも問題ではあるが、久太郎という名が許容させた面はあるだろう。
口絵写真は、小関幸雄(?)の栄治郎型の表情である。「?」を付けたのは確認出来ないからである。

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第949夜:左内のこけし(戦前)

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梅雨明け後の猛暑と思いきや、雲で直射日光が遮られ、風もそこそこあって助かっている。今夜で3日続けて弥治郎のこけしを取り上げることになる。弥治郎系でも新山系列は淡い色調と簡素な模様に特徴があり、久治の初期の大頭などを除けば目立たないこけしの代表格であろう。新山兄弟の5男にあたる左内も木地形態、描彩ともあまり変化のないこけしで、文献などで取り上げられることは稀である。しかし、戦前の玉山時代と言われるこけしは、簡素な中にも如何にも玩具っぽい雰囲気をもったこけしで捨てがたい魅力を持っている。今夜はその左内のこけしを見てみたい。口絵写真は、その表情である。

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第948夜:伝喜の伝伍型こけし

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ようやくと言おうか、やっとと言おうか、今日(22日)関東地方も梅雨明けの宣言があった。最近の梅雨は、しとしとと長雨が続く女形ではなく、豪雨や雷などの激しい男形が多いようだ。さて、今夜は佐藤伝喜の珍しい伝伍型を紹介したいと思う。剛直な表情が気に入って求めたものである。戦後の伝喜は昭和33年に復活したのは周知の通りであり、その後、伝内型、勘内型、伝伍型も制作している。この内、伝伍型は民芸店「ねじめ」の要請により昭和43年に復元したと「こけし辞典」の伝伍の項に記載されている。口絵写真はその伝伍型の表情である。

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