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第7夜:新山夫妻の福太郎ペッケ写し(国恵志堂特注)

Mayumi_fukupekke_kao

19日に下谷こけしまつりに行った折、新山吉紀・真由美夫妻に頼んでおいた福太郎戦前のペッケの写しが出来ていたので頂いてきた。三年越しの製作となった。新山夫妻にとって福太郎型はお手の物のはずであるが、「原」を手元に置いての復元となるとそう簡単に出来るものではないのであろう。「原」の雰囲気を見事に再現した出来栄えであり、長いこと待った甲斐があったというものである。今夜は、そのこけしを紹介したい。口絵写真は、真由美さんによる福太郎写しである。

「原」のこけしは久松旧蔵の福太郎ペッケ4寸7分で、千夜一夜Ⅰの第651夜で紹介した。また、このこけしの石川篤次郎による復元作を第704夜で紹介した。

Mayumi_fukupekke_hikaku

今回の写し、中央が「原」、左2本が真由美作でロー引き無し、右2本は吉紀作でローは引いてある。形にはややバラツキもあるが、おおむね「原」に忠実である。吉紀さんによると材料はベラビアとのこと。首下にはペッケお約束の鉋溝が入っている。

Mayumi_fukupekke_kao_hikaku

次に顔の表情。やはり中央が「原」、左が真由美作、右が吉紀作。「原」は鬢が眉毛の位置から頬紅を越えて顎の部分まで長く描かれているため頬がこけたように見える。一方、新山夫妻の作では鬢の下端が頬紅の所までで、頬がこけた印象は受けない。眉目は吉紀さんは湾曲が大きく愛らしい表情になっているが、真由美さんはそれほどでもなく凛々しい表情になっているのが面白い。「原」では向かって右目の眼点の筆が上瞼を越えて上に跳ねているのだが、これは吉紀さん、真由美さんとも忠実に再現してくれている。このこけしの特徴と思ってくれたのであろう。ご夫妻それぞれの個性もでており、大変良い写しが出来て嬉しい限りである。

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コメント

 国恵志堂さん 皆さん こんにちは
 本屋さんで『婦人画報』7月号の表紙を見たのですが、こけしの1本が青?一色の胴模様でした。オークションにもインディゴ こけし 佐藤康弘と言うのが出品されております。小福はこけしを知る程に古いこけしに魅かれていきましたが、こけしの活路を考えるとモダンなこけしも良いかと思いました。佐藤康弘さんと言うのはどういう方でしょうね。

小福様
佐藤康広さんは、遠刈田系の工人佐藤正廣さんの息子です。康広さんも伝統こけしの工人で、お父さん譲りの木地技術には定評があります。若くて好奇心も旺盛なので、伝統こけしだけに留まらず、多彩な木地製品に挑戦しているようです。青一色のインディゴこけしなどのその一つですね。伝統こけしだけではなかなか厳しいので幅広く色々なものを作るのも良いかと思います。ご本人は伝統的なものへの気持ちもしっかりしているので、そちらの方も頑張って貰いたいものです。

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