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第4夜:「美と系譜」のこけし(岡崎幾雄)

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2種間ほど前、ヤフオクに昭和29年頃のこけしが纏めて出品されていた。胴底に入手日と思われる記入があり参考になった。その時期に集めた蒐集家の放出品なのであろう。戦後のこけしでも昭和30年前後のこけしには注目すべきものがあり、今回も佳品が含まれていた。今夜紹介するのは岡崎幾雄さんのこけし。幾雄さんの初期のこけしは「こけし 美と系譜」に29年作が載っており、それとほぼ同時期のものと思われる。口絵写真は、その幾雄こけしの表情である。

こけし手帖631号に「友の会創立六十周年に想う」と題して幾雄さんが寄稿している。その中で幾雄さんは、中学卒業後すぐに岡崎直志に弟子入りし、昭和27年独立してこけしや木地玩具などを作っていたこと、昭和28年7月の山形県こけし会総会に持っていったこけしが土橋・西田両氏の目に止まり、両氏から激励されたことを記している。「こけし辞典」では、『昭和29年ころより、こけしの製作を始め、・・・』とあるから、幾雄さんは山形県こけし会総会で激励されて、本格的にこけしを作り出したということになるのであろう。

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今回の幾雄こけしである。大きさは8寸2分。胴底に「29.5.23」の鉛筆書きがある。「美と系譜」74頁の右から2本目(1尺)と同型のこけしである。型としては祖父の栄作型を目指したものであろうか。眼は顔の中央よりやや下で瞳大きく、鼻は長い垂れ鼻で、初々しさと愛らしさが感じられる。太めの胴に伝来の緑と赤の7段重ね菊を配している。

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「美と系譜」には35年作(8寸)と2本並んで載っているので、同様に2本並べて見た。右(6寸3分)は昭和30年代の中頃か。

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そして、こちらは50年代後半(右8寸、58年)と並べて見た。能登屋の経営が忙しく製作数が少なかった幾雄さんも、55年頃から多く作るようになり、入手し易くなった。ほぼ30年の年数差がある2本のこけし。その雰囲気には大きな違いがあるのは、それが作られた時代の風潮なのであろう。

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