第24夜:こけし談話会(岡崎久太郎)
今日(13日)は東京こけし友の会の平成27年度第2回目のこけし談話会があったので、その報告である。テーマは蔵王系の岡崎久太郎一家のこけしで、久太郎、直志、昭一のこけしが持ち寄られた。久太郎のこけしがメインであったため、直志、昭一も本人型、久太郎型が対象で栄治郎型は対象外であったこともあり、集まったこけしはやや少なかった。出席者は15名でこちらも前回よりはやや少なかった。久太郎のこけしは大正期から昭和18年頃までであるが、その間の年代変化は少なく、製作時期の特定はなかなか難しいものがあった。口絵写真は、持ち寄られた中では最も古いと思われる久太郎こけしの表情である。
久太郎の大寸こけし。左端は昭和初期頃か。左から2本目は昭和16年との書き込みがあった。大寸物には黒頭が多いようである。
昭和初期の久太郎。オカッパの前髪を中央で分けていること、頭の側面から後ろにかけての頭髪がかなり下まで描かれていることなどが特徴であろうか。
こちらは、昭和10年代に入ってからの久太郎。オカッパの前髪は真っ直ぐで左右に分かれていない。また、側頭部から後頭部にかけての頭髪が頭の中央部までしか描かれていない。なお、久太郎の胴模様は赤と緑の重ね菊が圧倒的に多く、このような横菊は珍しい。
久太郎の中寸こけし。頭は手絡模様も多くあり、独特の様式になっていて面白い。
久太郎の小寸こけし。晩年に近いものも多く、小寸物にもかかわらず胴上下にロクロ線を引いたものもある。右端の豆こけしは小さくとも手抜きがなく愛らしい一品である。
久太郎(左)と直志(右)の初期作(昭和15年頃)。
直志のこけし。左から初期作、本人型2本、右3本は久太郎型。
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